沼口明典 コラム-農業はバランス!?-

【第3回】春よ来い ~夢人参は春の訪れ?~


いやはや、今年の冬は寒かったですね。昨年12月は例年に無く、早い寒さの到来でした。農作物もしっかりとその寒さの影響を受けており、全般的に生長が遅くなった(遅れた)ようです。 皆さんご存知のとおり、農作物の生育は、天気への依存度が非常に高いものです。晴れの日ばかりでも生育は良くないし、雨の日が続けば病気にかかりやすく豊作は望めないものです。また、近年の気象状況はどちらかに偏ったものが多く、農業者にとっては少々不安なところです。   さて、今回はにんじん生産者を訪問してきました。田野町で露地野菜を生産する農業生産法人㈱KKYファームの金子亨(カネコトオル 写真左側)さんと楡井哲(ニレイテツ)さんのお二人を紹介します。 金子さんは土建業から農業に飛び込んだ挑戦者!楡井氏はそんな金子さんを慕ってきた良きパートナーとのこと。二人が管理する田野農場の栽培面積は約2ヘクタール、今回紹介するにんじんのほか、キャベツやさといも、だいこんを生産しています。彼らのにんじんは『夢人参』というネーミングでフーデリーに出荷、販売。「夢を持って農業に取り組む!美味しい人参を身近な人に届けたい、、、」そんな想いの詰まったにんじんです。 露地にんじんは名前のとおり、露地で栽培します。前年8月に土づくりを始め、9月中旬には種まきをします。その後は我慢の管理作業が続き、年が明けて2月頃が収穫時期。収穫までの間、雑草対策、追肥作業などの管理作業をひたすら続けます。にんじん栽培では、種をまく時期やタイミングが重要です。種まき後に台風や大雨にあってしまうと、土が流れてしまい、殆ど発芽しないことがあります。また、発芽後に適度な雨がふると発芽が揃うため、農家の方は天気予報とにらめっこしながら種まく日を決めます。 にんじんはキク類、セリ科に属する植物。葉っぱを見るとセリと似ています^^。宮崎県内では青果用にんじんと野菜ジュースの加工原料用のにんじんが生産されています。金子さんは青果用にんじんを栽培、完熟した牛糞堆肥をベースに土づくりに取り組み、生育期間中には海草由来のミネラル資材を肥料として与えます。そのことによりにんじんの甘さが増すのでしょうか?また、品種はベーターリッチという覚えやすいもの。名前のとおり、ベータカロチンが豊富に含まれており、煮物にはもちろんのこと、スティックサラダ、ジュースにしても美味しく、にんじん特有の臭みが少ない、糖度の高いものとなっています。生でかじると『これ柿じゃね!?』と疑ってしまうほど!寒い冬が過ぎ去っていくこんな時期には、夢人参スープで身体を癒して欲しいですね。 金子さんの夢人参、彼曰く『まだまだ満足していません。これからも更に良いものを探求していきたいですね!』とのこと。そんな彼らを温かい目で注視していきたいですね。

更新日時:2013.02.19(火) 14:27:11

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