行政特集


宮崎県内水産業の現状、「宮崎キャビア1983」について聞く

農政水産部 水産政策課について教えてください。
水産政策課は、漁村振興課とともに、県内水産業全体を円滑に保つ役割を担っています。漁業は特に自然の生き物を「獲る」という農業・畜産とは違う特殊な側面も持ち合わせていますから、そこには獲りすぎないようにしたり、トラブル防止や流通のためのルール(法律)も必要です。これらのルールを指導監督する役目もあります。また、市場の活性化を目指し、漁協・漁業者にもきちんと利益が出るように経営支援なども行っています。ひいては、皆様に適正な価格で安定的に水産物が供給できるように日々働いております。
宮崎の食・水産についての想い、課題などを教えてください。
前提として、宮崎の水産物は他県にも誇れる素晴らしいものですが、課題はたくさんあるんです。何より漁業者が誇りを持って仕事ができる環境作りをすること。それが使命だと思っています。そのためには収益性の向上が不可欠になると思います。それを実現するために、従来のやり方・考え方にとらわれない、柔軟な仕組みを作る必要があります。例えば市場の開催は一日一回でなければならないのか?求めている方の食卓へダイレクトにお届けできないか?市場や漁獲の時間を短縮して回数を増やすことで鮮度が保てたり、操業にかかる燃油の消費を抑えてコスト削減したり、漁獲物の付加価値を上げることができないかと構想中です。しかし、新しい取り組みは先駆者がリスクを負うものです。民間の方がリスクの全てを負うのではなく、行政がお手伝いすることで、少しでもハードルを低くしたいと考えています。
現在、取り組んでいる事業は?
宮崎県水産物ブランド品は現在9種類あります。
① 宮崎カンパチ ② 北浦灘アジ ③ 門川金鱧 ④ ひむか本サバ ⑤ 宮崎かつおうみっこ節 ⑥ 五ヶ瀬やまめ
⑦ 宮崎焼酎もろみ漬け(シイラ) ⑧ 宮崎一口あわび 浦の恵 ⑨ みやざき金ふぐ
今後もユーザーのニーズに合わせ、目的意識を持って飼育方法を変えたり、加工手順を見直すなど、より商品力のあるものに成長してもらいたいです。さらに本県で漁獲量の多いイワシなどでも新たな取り組みができるといいですね。 本県でも研究が進んでいた「岩カキ」の養殖技術がいよいよ確立され、これからの展開が楽しみです! 今年新設されたフードビジネス推進課とも連携し、協議を進め課題解決・売り出しに取り組んでいきたいと思います。 そして新たにブランド化、販売が始まった「宮崎キャビア1983」については商品化までに30年もの歳月が費やされています。一日も早く世界に売り出して、海外からも「宮崎産キャビア」として評価してほしいと思います。
いよいよ販売が始まった「宮崎キャビア1983」。ここに至るまでの経緯を教えてください。
研究に着手したのが30年前の1983年。
日ソ漁業科学技術協力の一環として当時のソ連から贈られたベステル種のチョウザメを、国の研究機関から県の水産試験場小林分場に譲り受けたことが始まりです。研究を重ねたのですが、生産が不安定で魚種を変えることになりました。それが現在のシロチョウザメです。平成16年に全国で初めてシロチョウザメの完全養殖に成功し、県内養殖事業者に普及しました。先月発売が開始された宮崎キャビアは、この年のシロチョウザメの卵ということになります!その後も若干不安定になるなど、トラブルもあったのですが、水温を変えるなど一つずつ乗り越えて平成23年には養殖技術が確立。安心して養殖できるようになり、今では県内19の業者が養殖を行うまでになっています。シロチョウザメは雌雄判別に3年かかったり、抱卵するのにも数年、キャビアにするためにも長期熟成期間が必要だったりと、長い年月が必要で、業者さんはみなさん大変な思いをされながら取り組まれています。だからこそ、どんどんPRをし、たくさん販売をして、世界から注目される商品に育てあげていかなければならないと強く思っています。業者のみなさんはこれから先も多くの困難があるとは思いますが、行政をあげてバックアップしている県は本県だけですので、その強みを活かして一緒に取り組んでいきたいと思います。
今後の展開・展望についてお聞かせください。
燃料費が上がっているなど、漁業関係者には厳しい現実があります。だからこそコスト削減や付加価値の向上で「儲かる漁業づくり」を目指します!漁業者に利益が出なければ、水産業全体が疲弊してしまいます。現在、既存の習慣などにとらわれない新しい仕組みを構築し実証実験を進めています。徐々に成果も出てきていますので、早く成功させて「漁業にも未来があるぞ!」そう感じてもらいたい。そのために試行錯誤を重ねていきます。
「行政」とは「社会の調整役」。そう思っています。

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