堀川尚子のフォレストライフ~もろつか村~

堀川尚子

まちとムラを繋ぐグリーンツーリズムを推進する、一般社団法人 諸塚村観光協会に勤務。標高1,000級の山々に囲まれ、村の95%を山林が占め、人々がモザイク模様のように、あれもこれも兼ねながら暮らしている様子をお伝えします。

神楽のおもてなし

諸塚村の東南に位置する荒谷公民館 戸下地区、神楽が伝承される集落のひとつです。今年は8年振りの大神楽で、50番の演目が奉納されます。

1月11日の太鼓の口開けから毎晩、舞の練習と「ザンゼツ」の準備が行われました。

ザンゼツとは、天照皇大神宮などの文字や動物や植物などの図案を切リ抜いた幣で、

大神楽の御神屋を飾るものです。東西南北と飾る方向が決まっていて、14種類各10枚が必要だそうです。

 その神楽の会場にもなる戸下集会場に隣接する、戸下加工グループ。

ここは平成12年に設立された村内で1番新しい加工グループで、神楽のおもてなしとしても喜ばれる漬け物が、特産品として製造されるようになりました。

平均年齢73歳という8名のお母さんたちが、自分たちの畑で採れる野菜で作る漬け物。

自慢の「みそ漬け」は、大根・人参・瓜・生姜・しそ・ごぼう・なた豆の7種類が入っていて、それぞれの野菜の最盛期に仕込まれ年間通して出荷されます。

 戸下加工グループの「はりはり漬け」は、柚子の風味が良い人気の品です。

どちらの商品にも大根がふんだんに使われていて、「漬け物の主役は大根」と加工グループの代表 綟川文子さんは言われます。

昔から神楽奉納の際には、婦人会が接待料理でおもてなしをし、その味は今でも伝えられています。それを支えるものは、この土地に生きるのの誇りと家族への愛。

村内の行事に参加するたびに、人々の団結力と直向きな女性の姿を目にし、それぞれの役目を果たしながらムラの伝承文化が守られているのだと感じます。

諸塚の神楽は観光客向けではなく、集落で守り伝えられてきた神聖なものです。ご参加される場合は、地元の習わしに添ってご参拝いただきますようお願いします。

いよいよ戸下大神楽当日になりました。今夜は県内外のお客様へのおもてなしが、戸下加工グループを始めとする婦人会の皆さんによって行われるのです。

☆特産品のお求めは「もろっこはうす」
http://www.morokkohouse.jp

☆観光情報「もろつかナビ」→http://www.morotsuka-tourism.jp

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更新日時:2014.02.08(土) 14:00:44

もろつかこんにゃく

毎年1月下旬から2 月の中旬にかけて、諸塚村では神楽の季節を迎えます。勇壮な舞と音で魅了する男性陣に、来場者をおもてなしする女性たち、地域の住民の手で伝承されています。

神楽が奉納される公民館(注1)の1つ南川にある、南川食品加工場の紹介をさせていただきます。

ここの看板商品は「もろつかこんにゃく」。

昔から諸塚村ではこんにゃく芋が生産されていたため、各家庭でこんにゃくが作られていました。

そのこんにゃくを、特産品として販売することになったきっかけは、毎年秋に開催される村民文化祭に出品した「椎茸こんにゃく」。

南川在住の女性が考案したことから、当時の婦人会員10数名が集まり製造が始められました。

当時の作業は、山仕事や家事が終った夜の時間に行われていました。

場所は南川生活改善センターの駐車場で、持ち寄った薪の火を利用し、こんにゃくを製造していたそうです。

設立当時からのメンバーの1人であり現在の代表である西田イサノさんは、「こんにゃく作りは詳しくなかったから下働きに徹し、火の点きが良い木を選んで持ってきていたね。」と、懐かしそうに話をされました。

皆で知恵を出し合い試行錯誤を重ね、椎茸や柚子などを練りこんだ「もろつかこんにゃく」として販売を始めると、地元や近隣のお店で喜ばれ、現在の加工場が完成したそうです。

この加工場では、毎年9月から10月にかけて、村内の多くのこんにゃく芋を買いとります。その量は、1トンほど。こんにゃく芋は、煮て、皮をむいて、冷凍保存し、年間を通してこんにゃくが製造されています。(注2)

昔ながらのこんにゃく芋と木灰水だけで作られる逸品「もろつかこんにゃく」は、宮崎県内だけでなく、東京の飲食店からも定期的に注文をいただく特産品です。

そしてもう1つ紹介したいのが、神楽が奉納される公民館だからと名付けられた「神楽だんご」。

春の新芽のヨモギがふんだんに使われた皮、中はつぶあん。

こちらもやまの恵みいっぱいの人気商品です。

現在は、4人の女性が働く南川食品加工場。その内、2人が20代であり、先輩方の味が受け継がれようとしています。

皆さんに、「もろつかこんにゃく」のおすすめの食べ方を尋ねると、「出来立てを柚子味噌で。」と、口を揃えて言われます。

このプルプル感を味わうには、刺身こんにゃくが良いようです。

☆特産品のお求めは「もろっこはうす」
http://www.morokkohouse.jp

☆南川神楽は2月1日~2日
詳しくは「もろつかナビ」→http://www.morotsuka-tourism.jp
注1:公民館
諸塚村内には、青年部・壮年部・寿会・婦人会・子ども会など世代ごとの部会と、社会部や産業部などを設けられた“自治公民館制度”があります。これは、住民による自治組織の団体であり、自治公民館は、役場と対等の立場で、16の公民館があります。
各地域の細部に至るまで、しっかりとした組織体制が確立され、行政と密接に連携しながら、一人ひとりが村づくりに参加しています。

注2:現在、「椎茸こんにゃく」は製造されておらず、幻のこんにゃくと言えるかもしれません。

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更新日時:2014.01.26(日) 17:00:37

世界に認められた椎茸

宮崎県北西部、耳川の中上流部に位置する諸塚村は、山を守り森林を創り、自然と共生しつつ森の恵みを受けながら暮らしている村です。これから半年間、「フォレストライフ~もろつか村~」を担当させていただく、堀川尚子と申します。山の幸の魅力を伝え、ムラの人々の想いをつなげ、おいしさの輪が広がることを願い、更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

九州には、およそ3種類の森があります。1つは針葉樹。木材を生む森であることから、人工林といわれます。もう1つは、地域に長く生きてきた天然林で、常緑広葉樹が主体です。3つ目は、人が森を活かす落葉広葉樹で、椎茸のホダ木にするクヌギもこの中に入ります。この3種の森が入り交じり、パッチワークのように見える不思議な山肌は「モザイク林相」と呼ばれます。

 諸塚村は自治体として初のFSC(Forest Stewardship Council)森林認証を取得し、環境や人にやさしいことを世界的に認められた全村森林公園の村です。

村の面積の約95%は山林で、残りの5%に農地や宅地などが点在しています。そのような条件であったため、明治40年に「林業立村」を宣言。人々は木材だけでなく、椎茸・畜産・お茶をはじめ、狩猟・ハチ捕り・川漁・薪の生産などを行い、村民それぞれが1つの仕事ではなく、あれもこれも兼ねながら広く林業を営み暮らしています。モザイク模様の山肌は、人々が森ととも生きてきた証だと感じています。

林業は、親から子、子から孫へと受け継がれる生業です。スギが育つまでに40~50年、クヌギは20~25年で椎茸の原木となります。クヌギなどの広葉樹が豊富にあり、山の傾斜地や山林内のホタ場として活用し、乾燥するための薪にも恵まれていたことから、椎茸栽培が盛んに行われてきました。3年経てば出荷できることが、主産業として成長した理由でもあるようです。

そのひた向きな努力によって、生産量・価格も上昇傾向になり、昭和58年には1キロ6,800円。当時のことを「あの頃のなば(=椎茸)は、えらかった。」と、当時を知る村民は言われます。

十数年前に輸入品の影響を受け、価格が下落。諸塚村の存続をかけて「椎茸団地」を整備し、振興への思いを強く抱く男たちがいました。「椎茸は主役にはならなはいけど、日本人が食べなくなることはないだろうから、最後の生産地になっても椎茸を栽培していこう」と。

その頃、お客様へ届ける直販事業への取り組みも始まり、平成8年「霧六峰」という諸塚村のブランドが誕生しました。美味しく、安心・安全の食品を求める皆さまへの信頼の証しとして、諸塚村で生まれた椎茸は、世界で初めてFSCのCoC認証(流通の認証)を平成17年に取得しています。

諸塚村は標高1,000m級の山々に囲まれ、その谷間に川が流れているため、霧の発生が多くあります。そして、真弓岳・山の頭峠・諸塚山・赤土岸山・大仁山、・黒岳と6つの山に囲まれていることが、その名の由来です。

「霧六峰」の名付け親である藤本隆康さんの住む標高800mの奥畑集落。

この冬は寒く、12月中に雪景色が見られた日もあります。

諸塚村のおすすめを尋ねると、「山」。中でも春の山が美しく、(その頃に採取される)春子も美味しいので、ぜひ訪れてほしいとのメッセージ。椎茸は「生は天ぷら、乾は煮しめ。」が藤本さんからのおすすめの食べ方です。

日本人が大事にしてきたうま味成分が多く含まれる椎茸は、おせち料理にも重要なわき役となります。目立ちはしないけれど、いい味を出すしいたけは、このムラで生きてきた人々とどこか似ているように思われます。

☆世界に認められた乾しいたけのお求めは「もろっこはうす」→ http://www.morokkohouse.jp

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更新日時:2013.12.25(水) 14:00:49

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