宮崎のものにひと手間を-宮崎食研 田原敬介さん

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田原 敬介(たはら けいすけ)
1968年生まれ
宮崎大宮高校、北九州市立大学卒。
商業高校での教員を10年務めた後、家業を引き継ぐ形で宮崎食研有限会社へ。2005年8月より代表取締役。 食品加工・商品開発をメインに自社商品を製造販売、インターネットでの通信販売とあわせて2012年12月宮崎市カリーノ地下にアンテナショップをオープン。PTA活動、地元少女バレーの指導、地域のイベントなどにも積極的に関わる。男の子3人のお父さん。

  • 宮崎食研 有限会社
  • 〒880-2231
  • 宮崎市大字糸原4727
  • TEL :0120-528-551
  • FAX :0985-41-3625
  • WEB :http://www.tema551.jp/
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宮崎のものにひと手間を-宮崎食研 田原敬介さん
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「ひと手間」加える商品開発

「てまごごち」という名前がずっと気になっていた。
一度聞いたら、ずっと耳に残る。声に出してみると語感が心地いい。 体温のようなほっとする暖かさを持った名前。宮崎で生産された農作物を中心に、素材へ「ひと手間」加える商品開発を行い消費者へ届ける。 それが、宮崎食研「てまごこち」だ。

手間と心をこめた商品で生産者も消費者も心地よくなって欲しいという思いを込めた造語である。もともとは、県外の顧客を中心に、食材を乾燥させたり粉末にするなど食品加工の受託を行っていた。
その技術を活かして、地域にもっと関わっていきたいという想いから、宮崎の食材を使って商品開発を行い、お茶やジャム、ドレッシング、和風だし、カレーなど多彩な商品を打ち出している。
加工食品は自社のサイトで通信販売をしていたが、2012年12月、顧客のニーズをさらに掴もうと、アンテナショップを宮崎の中心市街地の中に構えた。

てまごこちDIRECT

宮崎食研のアンテナショップ「てまごこちDIRECT」は、宮崎市の中心市街地、高千穂通りの商業施設カリーノ宮崎の地下にある。
食をテーマにしたフロアには、オーガニック食品のセレクトショップ、料理教室、フルーツ専門店とイートインコーナーなどがならび、その一角に、てまごこちのアンテナショップを構えている。
2012年12月にオープンしたばかりのお店で、田原敬介社長にお話を伺った。
商品のひとつひとつについて、熱をこめて説明する田原社長は、約10年間商業高校の教員をしていた経歴を持つ。
会社経営をしていた家業を継ごうと、大学で経営を学ぶ傍ら、教員免許を取った。
教育実習で一生懸命取り組んで伝えると生徒たちが応えてくれることにやりがいを感じ、商業高校の教員に。
「教育は究極の人づくり」と語る田原さんが教員生活に区切りをつけ家業を継いだのは、生徒の就職指導で言われた一言がきっかけだった。

作る人も買う人も心地よい商品づくり

高校の生徒の就職指導の時、目標をもって何かにチャレンジして欲しいと常々話していた。
公務員になれれば役場でも消防でも警察でも、という生徒に「先生だって、公務員じゃん」と呟かれた一言が、家業を継いで経営者になるきっかけになった。
父親が手書きで書いた経営指針、理念を当時のワープロで打ち直しながら、初めて「経営とは何か」触れた時期でもあった。
それから10数年。生徒たちとのつながりは続いている。役場の職員となった教え子から依頼があり町おこしの商品開発を依頼されることもあるという。

また、田原社長は地域活動にも積極的だ。地元のイベントの実行委員や子ども会、PTA活動、以前は少女バレーの指導もしていた。
地域の付き合いを深めていくことで、出逢いがあり、縁とアイデアがつながっていく。
その中で、多くの人が心地よく感じる付加価値を発見して商品づくりに活かしたいと語る。

例えば、生姜で何か商品をという時、粉末にしてジンジャーパウダーとして、エキスをシロップにして、ゆずとブレンドしてお茶に、調味料を入れてドレッシングにと、食品加工の技術を使うと多彩な売り出し方を考えることができる。
何と何をつなげるか、誰と誰がつながるか、何通りものストーリーがそこから生まれてくる。
田原社長の願いは「宮崎」が「京都」のようなブランド力を持つこと。
宮崎で生まれた仔牛を出荷して他県の高級ブランド牛に、お茶を静岡に出してブレンド、みかんを愛媛に出荷してジュースになど、素材としての高いポテンシャルを持つ宮崎の農産品。
今まで流通に出してどう使われ消費されるのか見えにくかった、加工して商品になり、消費者に届けられるプロセスを、生産者によく見える形で、顔を合わせながら商品開発を行う、その役割を担うのが、宮崎食研「てまごこち」という会社である。
宮崎のものに、もうひと手間をかけて、作る人も買う人も心地よくなる様な価値ある商品に。
田原社長が、生徒たちに伝えてきた「目標へのチャレンジ」はまだまだ続いている。

取材: 横山美和 (よこやま みわ)
宮崎市出身。宮崎大宮高校を経て、立教大学社会学部へ進学。在学中よりフリーアナウンサーとして活動。2003年に帰郷しテレビ宮崎入社。現在は子育てをしながらUMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送、宮崎サンシャインFMの番組、CM等に出演の傍ら、宮崎県内で絵本とピアノのステージ「おはなしとおんがくの森」の公演も行う。
facebook: 横山美和

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