伝統の「転地養蜂」で蜂蜜のおいしさを届けたい -西澤紘一郎

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西澤紘一郎(にしざわこういちろう)
昭和38年生まれ、宮崎市高岡町出身。有限会社西澤養蜂場専務。
明治42年創業。養蜂場は地元高岡町だけでなく宮崎県綾町、沖縄県、青森県、北海道に生産支場があり、蜂蜜の生産、蜂産品の販売などを行う。
四代目社長の西澤康全氏が全国4カ所の養蜂場を飛び回る中、拠点となる直販店「蜂兵衛館」での新商品開発などを手がける。

  • 有限会社西澤養蜂場
  • 宮崎県宮崎市高岡町浦之名3224-8
  • 0985-82-0211
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伝統の「転地養蜂」で蜂蜜のおいしさを届けたい -西澤紘一郎
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蜂蜜の専門店

今年(平成26年)3月、宮崎市高岡町にリニューアルオープンした西澤養蜂場の直販店「蜂兵衛館」。木をふんだんに使った暖かい雰囲気の店内には蜂蜜や蜂蜜関連商品がずらりとならんでいます。国産アカシアや、みかん、りんごなど希少性の高い果樹の花の蜂蜜、はちみつ黒酢やドレッシング、関連のサプリメントや化粧品など多岐にわたる商品を手がける西澤養蜂場。イートインコーナーでは、人気のはちみつソフトクリームやコーヒーを楽しめて、ドライブ客なども気軽に立ち寄ることのできる人気の観光スポットになっています。

取材にお邪魔した当日、西澤康全社長は不在。「沖縄~北海道」を移動しながら蜂蜜を採る「転地養蜂」を行っている西澤養蜂場は、宮崎、青森、北海道、沖縄に自社養蜂場を持っていて社長自ら現場を飛び回っているとのことで、 専務の西澤紘一郎さんと、蜂兵衛館店長の前田さんにお話を伺いました。

手探りで実現した逸品

多くの商品を手がける西澤養蜂場が、この秋発売を始めたのが「はちみつ饅頭」です。約30年前に店舗で生産販売していたはちみつ饅頭。以前は、現在も人気商品のひとつであるはちみつボーロと人気を分けていました。古くからの常連さんから「はちみつ饅頭を復活させてほしい」との声を受けて今年再生産を決めました。店長の前田さん、蜂兵衛館店舗スタッフが中心となり当時の味を再現しようとしますが、レシピ等の資料は残っておらず手探りでのスタートとなりました。

新富産の小麦粉を用い、生地にしっとり感を出すために米粉、餅米を混ぜるなどの工夫を凝らし、生地にもこし餡にも自社産蜂蜜を入れるなどの試行錯誤の末、かつての味を完成させました。蜂蜜のやわらかな甘みと、懐かしさ感じさせる柔らかな食感のはちみつ饅頭は是非多くの方に味わってもらいたい逸品です。

(※写真は「はちみつ饅頭」と「はちみつボーロの製造過程」)

ミツバチとともに全国へ

創業明治42年、105年の歴史を持つ西澤養蜂場は、ミツバチと一緒に季節ごとに咲く日本各地の花を追い、主に陸路を移動しながら養蜂を行っています。巣箱を同じ場所に置く定置養蜂が一般的になってきた中でも、この伝統的な転地養蜂を守り続け、全国の花々の恵みを求めて旅を続けています。
その輸送方法はトラック。ミツバチにストレスを与えないようにトイレ休憩や運転交代以外はほぼノンストップで走り続けるとのこと。蜂は熱に弱く巣箱に長時間閉じ込められると蒸死してしまいます。それを防ぐためにトラックを走らせ続けて巣箱に風を送らせ続けているのです。

例えば宮崎から青森までは36時間の道のり。到着すると休む間もなく花の状況を確認して巣箱を設置します。こうして、安心安全な国産蜂蜜を生産しているのです。
また国産の蜂蜜・蜂蜜加工品を全国の人に届けようと、商品の通信販売事業も積極的に展開しています。平成9年「蜂兵衛館」として通信販売事業を立ち上げ以降、従業員たちの意見を参考にブランドイメージを確立させた現在では、自社サイトに加え、大手サイトにも複数店舗を構え、多くのお客様から支持を得ています。
ミツバチに愛情を注ぎ、昔ながらの商品も大切に復活させながらも時代と共に寄り添い事業を進める西澤養蜂場。宮崎から発信する元気の源が多くの人に届くように願っています。

取材: 横山美和 (よこやま みわ)
宮崎市出身。宮崎大宮高校を経て、立教大学社会学部へ進学。在学中よりフリーアナウンサーとして活動。2003年に帰郷しテレビ宮崎入社。現在は子育てをしながらUMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送、宮崎サンシャインFMの番組、CM等に出演の傍ら、宮崎県内で絵本とピアノのステージ「おはなしとおんがくの森」の公演も行う。
facebook: 横山美和

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