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こだわり店舗

鈴之家

桶に入った『鈴之家定食』

鈴之家の看板メニュー。カツオの漬けが盛られた大皿の周りに、もずく、煮物、ごんぐり(マグロの胃袋)のさっぱり和え、などの小鉢が並んでいます。
カツオの漬けは大きくカットされたのが9切れ。「9切れには意味があります。始めはそのまま刺身で3切れ、次にご飯にのせて3切れ、最後にお茶漬けにして3切れ食べてみてください」と説明を受けて頂きました。
小鉢と刺身を味わっていると、こちらの状況にあわせながら、ご飯と魚のあら汁と急須に入った出汁が運ばれてきます。ちなみにご飯はお代わり自由です。
教えてもらった通りに順に食べ進めていくと、カツオの味わいが微妙に変化しました。刺身で食べるとほんのりと酸味があってさっぱりした味わい、熱々のご飯に刺身をのせるとそれは消え、お茶漬けにすると甘みが増す気がしました。鈴之家はカツオの臭みもないので、食べ進めて行っても食べ飽きません。
漁師飯にヒントを得て、「いい魚は沢山あるから、あとはお客さんにどう提供しよう、見た目のインパクトも持たせたい」と工夫に工夫を重ねて作り上げた鈴之家定食。1日で100食以上出る日もあるので、新鮮なカツオや魚介類を切らさないように、仕入にも気を使います。

海が庭。魚と一緒に50年

マグロやカツオをはじめ海鮮料理で人気の鈴之家は、昼時になると順番待ちの列が出来ます。10年前に『鈴之家定食』を考案したのは、4代目の鈴木安士さん。勤めていた漁協から実家の鈴之家旅館に転職し、旅館から人気料理店へと進化させました。魚を扱う仕事に就いてからは50年になる、魚のベテランです。おいしい魚料理というのは魚の種類や大きさや状態でも変わるため、「魚の目利き」がまず大事だと教えてもらいました。
鈴之家のカツオの漬けは、カツオ独特の臭みがなくってとっても食べやすく、食べ進めて行っても飽きません。よく見ると、魚のあらのみそ汁には臭み消しのショウガも入っていません。小鉢の魚介類もどれも魚の生臭さや青臭さがありませんでした。「とれたて捌きたてが一番。鮮度が大事。時間が経つと臭みが出てくる」と、刺身も注文を受けてから一つ一つ切り分けます。カツオってこんなに食べやすかったかなと思っていると、カツオは5キロ以上と大きくて身がしっかりしているものを買い付けてくるそうで、それもポイントだとか。
海と漁港が目と鼻の先にあるこの場所で、生まれ育った四代目。「これからの季節、7〜8月は白身魚は磯魚がおいしいやつがあがる」と、旬の魚と食べ方を知り尽くしています。

アクセス

鈴之家

  • 日南市南郷町中村乙4898
  • 0987—64—0015
  • 11:30~13:30
  • 第2、4木曜日
  • ホームページ

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