ちいさなこだわり~食・旅・短歌~

渡邉円

1982年串間市生まれ。
ある日短歌と出会い帰郷。
美味しい食べ物に囲まれて、宮崎ライフを満喫中。
「都井岬短歌大会」「歌垣」など宮崎県内で短歌イベントを開催。

続・朝ごはん

朝が来るたび、東向きの窓がひかりをあつめる。 ちいさな流しで、調理スペースも狭い。けれども、とても気に入っている私の台所。 最近は、酵素玄米を食べるために炊飯器を手にいれた。炊飯器なんて!保温機能なんて!って、若干蔑んで過ごした我が台所史においてエポックとなる出来事。 小豆と玄米と塩を圧力鍋で炊いて鍋帽子で保温。その後、炊飯器の保温機能でじっくり成長させるのだ。なにかしら、心身の健康に良いらしい酵素玄米。月末月初の繁忙期を支えてくれる頼もしい助っ人のおかげで、風邪ひとつ引かずに春を迎えられそう。 頑張っている人の朝が、生活が等しくひかりに照らされているように。毎日は続く。     8 76543211211109 あたらしい居場所はいつも我がうちにあるふつりふつり春のしぐれ煮 渡邊 円

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更新日時:2016.02.06(土) 22:05:31

おはよー、朝ごはん。

東京に暮らしている間に、大好きでいつも拝見しているサイト『東京の台所』の取材を受ける機会を得た。 http://www.asahi.com/and_w/life/SDI2015040109671.html?iref=andw_kijilist ライターの大平一枝さんとは初対面のはずなのに、不思議と自然にお話しができて驚いた。きっとわたしは、ずっとこの機会を待っていたのだと思う。宮崎では、周囲の地域づくりのお友達のことを思うと言えなかった考えを客観的に文章にしていただいて感謝している。 豊かさを一元化することはできないし、幸せの優先順位はそれぞれである。 後日談で、サイトを見た知人から「東京をフェアな視点で見てくれてありがとう。僕の故郷のことを平気で人間の住む場所じゃないなんて言う人がいますから、嬉しかった」という声をいただいた。 また、大平さんから「福島に暮らすわたしたちの気持ちを解ってくださってありがとうございます」という内容のメールが届いたとお知らせいただいた。 改めて、身の引き締まる思いでいる。 1 最近は、朝ごはんブーム。 冷蔵庫の様子や体調と相談しながら楽しんでいる。 わたしは割と「しっかり」していない方なので、ある日「しっかりしよう」と思った。「しっかりしてる人」のイメージ…まず思い浮かんだのが「毎日、朝ごはんを食べる」だった。 始めてみると、毎日朝ごはんのことを考えるのが楽しくて仕方ない。 和食の日もあれば、トーストの日もある。酵素ジュースの日もあれば、和菓子の日もある。 ひとり暮らしの気楽さ、ゆえの楽しみかもしれないけれど。わたしは、自分の生活がとても気に入っている。朝ごはんブームはまだまだ続きそうだ。 2 3 4 5 13 6 7 8 9 10 11 12 【雨粒のつたうみょうがを味噌汁にうかべて後生の夕餉となせり】渡邊 円    

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更新日時:2015.06.04(木) 21:08:07

東京見聞録①

宮崎にも雪は降る。それでも、東京は雪が降る街なんだなぁと痛感する出来事があった。 通勤ラッシュだ。普段もラッシュ時はぎゅうぎゅう詰めで、とてもゆっくり読書なんてできない車内であるが、あの日は更に混んでいた。東京に雪が降った、あの朝。 いつもの駅で、いつもよりちょっと早めに家を出たのだけれど、次々にやってくる人の群。電車だって負けじと次々やってくる。しかし、乗れない。「後から来たのに、追い越され…」うっかり八兵衛気分を味わう。 皆さん朝の忙しい時間に、遅刻する訳にはいかないって気持ちで、身体をぎゅうぎゅう電車に押し込んでゆく。…み、宮崎だったら…。と、思わずにはいられなかった。 宮崎だったら、まず順番に並ぶ。そして、お互いに怪我をしないように、押し合ってしまったら「あああ、ごめんなさいね。大丈夫ですか?」とお互いに声をかけ合うはずだ。そんな悠長なことをしていたら、みんな遅刻してしまうかもしれない。でも、いいじゃないか。ちゃんと会社や学校に電話を一本入れるはずだ。そして、次回からは、もっと時間に余裕をもって家を出るはずだもの。(写真を経ていちばん下へ続く…。) 2 世田谷文学館「岡崎京子展」。 3 岡本太郎「明日の神話」at渋谷駅。 4 TABI LABOのイベントに参加。 5 ジョン・キムさんに会えた!!すごい! 6 小田急小田原線各駅停車。 7 鶴川村の武相荘へ。 8 オイリーボーイ次郎さんの愛車。 11 後楽園。 12 キルトフェスティバル! 13 アンティークキルトもたくさん展示がありました。『大草原の小さな家』の原作者ワイルダーの作品。 14 上田葉子さんの生地です。うれしー\(^o^)/ 15 スカイツリー! 16 合羽橋。 17 戦利品。 18 お汁粉。 19 きなこ餅。 20 「月光」というお店。 21 活気のある商店街には地元の方がいっぱい! 111 雪が降るって聞いたから…。 222 TABI LABOのイベントでお会いした神宮司さんのお店「eggcellent」は、朝7時からオープンしています。 http://eggcellent.co.jp/top/ (…続きです) そして今朝。また、雪が降ると天気予報に聞いて朝6時30分に家を出た。職場の六本木まで、ゆっくり座って電車に揺られた。 豪華!な朝食をゆっくり味わって、英会話の朝活に励む方々に羨望の眼差しを向けながら、わたしも短歌を詠んだ。 結局、雪は終日降ることはなかったけれど、満員の電車に揺られて思うのは、宮崎の人の優しさあたたかさ。そして、母の作ってくれた朝ごはんなのだった。 【朝に染まるわたしも君も柔らかくゆき過ぎて見ゆ窓ゆ見やれば】渡邊 円  

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更新日時:2015.02.04(水) 01:15:13

旅立ちはゴルゴンゾーラの香り

  1 東京に来て5日経ちました。 人の多さの安心感にひたっています。 2 旅立ちの前夜は、期せずして古事記談義と相なりました。 引っ越しのたびに大事に連れてゆくわたしの「古事記ノート」および「風土記ノート」には、幼いなりに拙いなりに一生懸命楽しんで勉強した跡がみられます。お勤めをしながら通った、神戸女子大学のカルチャー。ふと開いたページには“2007年7月”と記されていました。 「どうしてわたしは古事記に興味を持ったんだろね」と言うわたしに、友人は「自分の知っている土地、宮崎に何かしらの縁を感じたいのだろ」と答えました。続けて「それは郷土愛なんだな」と。 なるほど、いいこと言うなぁ。 何かしらの縁、それは“物語”なんだと思うのです。語りたい。知りたい。そして自らも主人公であり得る“それぞれの土地の暮らしの物語”。 昔むかし、ながい旅に出るなんて思ってもいなかった初夏のある日。近江の木地師のかくれ里を訪ねたことがあります。そこには、やはり物語がありました。 <木地屋根元地という概念は分かりよく木地屋のふるさとといいかえてもよいがそれは近世この部族の人たちがつくりあげた共同幻想のシンボリズムである。しかし、その発想の背景には土地と無縁であった中世的な漂泊職人の精神的・経済的なアジール(避難場所)としてそこに身をゆだねなければならない歴史の悲しい宿命があったからである。木地師のことはまだ分からないことが随分とあるが近江の小椋谷はいわばその謎のベールに包まれた文字通りのかくれ里といってよい>昭和54年発行・暁教育図書『日本発見』第5号より 第55代文徳天皇(827~58)の第1皇子惟喬親王は聡明で人望がありました。周囲は、当然惟喬親王が皇太子になるものと思っていましたが、弟の惟仁親王がお立ちになりました。これは惟喬の母方が紀氏であり、惟仁親王の母方が藤原氏であったため力関係に左右されたものといわれています。 敗者となった惟喬がいつの間にか小椋谷に?筒井に?(こっちが本家だとお互いに譲らず今でも対立しているらしい)流れ付き、法華経の巻軸の形にヒントを得、椀などの木器を作る轆轤を発明します。それを付近のきこりに教えたのが「わが国の木地業の始まりである」という伝承になったそうです。同情を集める話であるし、話に尾鰭が付くことも世の習いであるでしょう。 わたしは、「事実」について「本当は…」などとうんぬん議論することに全く興味がありません。 出来事があった。 ただ、それだけのことです。当事者が2人いれば2通りの、5人いれば5通りの事実がそれぞれにあるのだと考えます。「事実」より「事実と信じる姿」がほんとうであると思うのです。誰かから見ると虚構に見えるかもしれない“心の真実”を物語ることことにより、漂流の民たちに希望の光が射したのです。光は時を経ても、それを物語るたびに再び現れます。 現代を生きる「旅人」のわたしたちには、共通の物語があります。それが古事記です。宮崎県が、神話のふるさとである縁。宮崎県民であるわたしたちは、どこに暮らしていても古事記の物語を思い出すたびに、ちょっと誇れるような気分になれます。 それは、飛行機に乗る日の朝にわざわざ食べに行った「大盛うどん」のあたたかさや、空港の喫茶店で偶然食べてすごーく美味しかったゴルゴンゾーラジェラートの口福を、誰かに伝えたいと思う気持ちと似ているように思われるのです。 3 【引っ越しのたびに降り立つはじめての駅はじめての役を演じて】渡邊 円

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更新日時:2015.01.21(水) 22:00:53

時間力

新年あけましておめでとうございます。 実家のある串間市今町のお正月は大漁旗で彩られる。お餅とお蕎麦とお節とお酒とコタツとミカンと猫と家族と、のんびり穏やかなお正月を迎えることができました。     年末年始はジョン・キムさんの『断言しよう、人生は変えられるのだ。』をキムゼミに参加したつもりで読みました。 石井ゆかりさんの占い http://st.sakura.ne.jp/~iyukari/ によると、わたしは旅好きな双子座。毎日とても楽しく暮らしているのに、仕事も、友人にも、家族にも恵まれていて何も不満はないはずなのに、同じ場所に居続けることに倦んでいたわたしは、旅に出たくなりました。 すると、なんと。 部署異動があり、お勤めしたまま「長期出張」という“いっちょまえ”な大義名分をかかげて、東京に出張することになった!のです。 願ったり、叶ったり。 しばらく浮かれて過ごしたのだけど、直前になって出張ブルーに襲われました。ちゃんとお仕事全うできるのだろうか。軽薄なわたしが顔を出してしまうのではないか。   キムさんの本には、こうあります。 「自分が何に時間を割いているのか、何に時間を奪われているのかを徹底的に意識しなくてはならない。」 不安もあります。でも、やってみる。それで駄目なら、そこで考えたらいい。って言ってくれた友達がいました。もうずいぶん会っていないけど、その言葉でわたしの扉が開きました。そんな瞬間があったことを、最近よく思い出します。 元気でいるかな。また、会いたいな。 【窓際のシートにふかく根を張れば走り出すバス ゆめのくにゆき】(渡邊 円)

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更新日時:2015.01.09(金) 00:06:33

餃子熱。

  いよいよ師走。台所のものたちを片付けたくなるのは、年末だからなのか。 引っ越してきたばかりの頃は冷蔵庫もガスコンロも電子レンジもなくて、毎週ドラッグストアで卓上コンロ用のボンベを買っていたなぁ。 オーブンレンジを購入したのが嬉しくて、パンを焼こうと強力粉を買ったのは夏まえ。 味と電気代を考えると、お店で購入したほうがよし!という結論がでた。それでも流しの下にねむる強力粉のことを、おりおり思い出しては申し訳ない気持ちになっていた。     12月をむかえ、ひとつひとつ心の整理をしてゆく。「今日は強力粉をどうするか考えよう」と思う一日があった。 近所の書店で気になる料理本をいくつも眺めているうちに、水餃子の頁と出会う。     皮は、強力粉と塩とオリーブオイルとお湯。 捏ねる作業はたのしい。 耳たぶくらいの柔らかさでほのかに温い生地にふれると、やさしい気持ちになる。 つるっとなったら乾燥しないようラップで包みベンチタイムを設ける。     生地がやすんでいる間に、餡をつくる。 今回は、豚ひき肉に塩で絞った大根とショウガとニラ。味付けはナンプラーと黒コショウ。つなぎには、片栗粉を使用。 生地をのばして、餡を包んで、茹でて完成。 モチモチした皮とあったかい湯気がいい。 以来、餃子熱は冷めず。コートを羽織り、マフラーをしていそいそとスーパーへ出かけるわたし。 在庫消費のための餃子だったのだけど。     12月7日は、宮崎ねんりんフェスタ。 ステージイベントとして、心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会の表彰式があった。 ここ数年、ボランティア団体「空の会」のメンバーとして参加している。 今回は、優秀賞の92歳の女性(Kさん)のご案内係を務めさせていただいた。はるばる福岡県からご参加くださり、人生初の来宮とのことで大変よろこんでいらっしゃった。 作品は、【お父さんステテコの前縫いました妻の私が穿いております】。 ステージへあがる前、お弁当を食べてお手洗いへ行って…と一緒に過ごす時間をいただいた。声をかけるたびに「ありがとう」と言葉をいただき「いえいえ、わたしのほうこそありがとうございます」と返す。わたしたちは、それをおそらく何十回も繰り返した。 ステージまでの短い廊下を、ながい時間をかけて歩く。途中で、ぎゅっと手を握っていただいて胸がいっぱいになった。 ステージ上では、「どんな気持ちでこの短歌をつくられたんですか?」という問いに「恥ずかしい…」と、たったひと言だけ発して照れて黙ってしまったKさん。 緞帳の隅で待機していたわたしの手をまた握り、ゆっくり控室へと戻られたのだった。     また違う休日。 宮崎キネマ館で、『フランシス・ハ』を鑑賞。 フランシスのダメぶりがとても他人事とは思えない。ううむ、ううむと唸りながら眺めていた。時間の経過や身を置く場所の変化によって、ふわっと世界が溶ける瞬間がある。 いい映画に今年もたくさん出会えた。     それぞれの個に適した生活は、それぞれであるなぁと思う。 「~べき」にがんじがらめになるのは、とても苦しいこと。生活のリズムが掴めたとき、内面の熱も熱く時には暖かく周囲に与えることができるのではないだろうか。     生活になくてはならないモノの基準はそれぞれだが、わたしは料理と旅と映画と手芸と短歌と…。じゅうぶん過ぎるほど世界からの恵をうけている。それは自らが「こんな生活がしたい」とイメージした日から今日につながっているってことを、ある瞬間に思い当たった。そして、自分の身の内にある“自分を幸福にできる小箱”を見出すちからが自分に備わっていることを知り、改めて驚いている。     また、ある休日。 所属している短歌結社の今年最後の歌会。今回は司会を務めた。 発言者が何を言いたいのか、しっかり聞くこと。そして「こう仰っていますが、いかがでしょうか」と伝えること。 この2点に気をつけてみた。今後は、より深い短歌の鑑賞へ導く司会ができるよう勉強したい。     ホワイトキルトはボルチモアアルバムキルトの図案をベースにフリーハンドで。ぽんぽんぽんと配置して、すき間にハートや星や鳥や蝶を遊ばせてみよう。年末年始の楽しみ\(^o^)/   【ムーミン谷のよう隠れ居に今宵も香りするどき花を飾りいき】渡邊 円  

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更新日時:2014.12.21(日) 00:00:50

冬支度

喉が痛い。風邪をどこかでキャッチしたようだ。 普段すこぶる健康なので、たまに病気になるとちょっと嬉しい。すぐに薬を飲んではいけない。ガマンできるところまで我慢して、周囲の人から「あれっ、体調悪いんじゃない?大丈夫?」と声を掛けてもらえるまで耐えるのだ。声をかけてもらえば、もう治ったようなもの。葛根湯を飲み、生姜湯を飲み、靴下を2枚重ねて履き、マスクをし、首にタオルを巻く。羽毛布団に毛布を重ね、更に湯たんぽをいれた布団にもぐり込む。2時間後にはたいがいスッキリ。普段どおりの健康体だ。これも日頃の健康活動の賜である。 なんてアホみたいなことは、ずいぶん昔に卒業したのだけど…。インフルエンザが流行っていますね。皆さまどうぞご自愛ください。 暦のうえではとうとうディセンバー。冬は家仕事が楽しく、また忙しい。                     【たっぷりの上白糖の濃い蜜にひたひた浸るしあわせもよし】渡邊 円  

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更新日時:2014.12.07(日) 00:00:04

かたすみさがし

いろとりどりのコートが街にあふれる季節。宮崎も冬はそれなりに寒いです。寒さに慣れていないので、ちょっと寒いとすぐコートをひっかけて出かけてしまいます。途中で、あ。暑いな。と思うのだけど、寒い思いはしたくないし。出かけないわけにはいかないし。 11月9日は、ココクラマルシェ。 わたしは、アナウンスのお手伝いで参加していました。 当日はあいにくの雨。そのための芝生の修繕費を、何度も恐れ入りながら何度も、呼びかけました。ご協力いただいた皆様ありがとうございました。 いい体験をさせていただいて、いい気分で夜をむかえた帰り道。いい気分は、より良い気分を引き寄せるらしくラッキーな11月9日のわたしは、両親に誘われて「寿司虎串間店」へ晩ごはんを食べに行くことになりました。ひとまえで食事をするのが、とても苦手な一族なので、カッコよく「炙り鯛の塩レモンください!」とか、よー言わんのです。そもそも、他のご家族さまと並んでよその家庭の気配を感じながら食事することに、すっかり参ってしまう。お店の人に顔を知られていることも「いつもありがとうございます」と言われることも、何だか気恥ずかしくて逃げ出したくなる。でも、美味しいから。食べたいから。くすぐったさも覚悟してゆく。注文は、大きな声の代わりに、メモをそっと渡すのです。けっきょく、大きな声でなんとかかんとかリャン!とか言われて、ああ恥ずかしいよぅ…!ってなるのだけどね。 咀嚼するって行為はすごくプライベートだなぁと思うのです。給食とかお弁当タイムとか、自分を社会的に対応できる登場人物として設定してやっと乗り越えている毎日。喫茶店は平気なのになー。まだまだ修行なんです。 以前、何度かご紹介したことのある「noteの会」。毎月だいたい第3水曜日の午前中に開催しています。毎回、発表&それぞれの詠草を記名で提示。批評し合う。という歌会。今回はわたしの発表でした。 取り上げた歌集は、田中ましろさんの『かたすみさがし』。情報量の多い歌集です。 たなか・ましろ 1980年生まれ。大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻修了。コピーライター、CMプランナー。2009年、短歌を始める。「夜はぷちぷちケータイ短歌」への投稿や、「短歌サミット2009」、「名短」など短歌イベントの企画・運営協力を経て、2010年、短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」を創刊。短歌を広める活動に力を入れている。2012年、連作『告げられる冬』で短歌研究新人賞候補作に。2013年、「短歌男子」企画・制作。「かばん」所属。 うたらば:http://www.utalover.com/ 表紙にある可愛いQRコード。歌集の中にもあって、合計11個のQRコードをまずはひとつひとつスキャンしていくことから、読み解くことにしました。 【表紙】認識なし 1ページ】認識なし 13ページ】Re:『貝殻に話す』短歌×ムービー 22ページ】Re:『手を振っている』短歌×イラスト 30ページ】Re:『ある平和』短歌×イラスト 47ページ】Re:『エチュード』短歌×ポストカード 77ページ】Re:『異音』短歌×小説 85ページ】Re:『おやすみのかたち』短歌×朗読 ※5分13秒 115ページ】Re:『群れを眺める』短歌×短歌 123ページ】Re:『夏の影』短歌×映像 131ページ】購入者用トップページへリンク   ◆気付いたこと ※「かたすみさがし」という言葉が入った短歌はなかった。※41ページに、新雪をためらわず踏むあなたには見えない朝のかたすみに立つ という短歌がある。 ※ が、最終章に「かたすみさがし」という題の連作がある。 ※「あなた」を詠んだ相聞歌が多い。299首中35首。 あなた…35首 ふたり…11首 ひと… 11首 きみ… 9首 わたし…8首 ぼくら・ぼくたち…7首 ぼく…6首 だれか…5首 その他…みんな、恋人、ひとたち、ひとびと、など。 ※「われ・我・吾」がいちども使われていない。 ※ 死についての短歌が多い。299首中約15首。死のかおりの短歌はもっとある。 ※「神さま」がでてくる短歌がいくつかある。299首中4首。 ※ 祈る短歌。299首中4首。 ※ 特殊な記号が出てくる。「エチュード」では顕著。言葉にできない心のかたちかな? いろいろ、参加者のご意見をいただいて充実した時間を過ごすことができました。ここでは、食べものの短歌をご紹介します。   待つことは待たせることか海までの坂にだれかの蜜柑は朽ちて お湯割りの焼酎ぬるくなるまでを核心以外のことにまみれて ささやかなものを探して晴れた日はふたつに割ったハッピーターン 怠惰から蜜をとりだし舐めている朝のあなたは手触りがいい 飲み切ったあとに生まれる暗闇をこぼさぬように缶をもつひと   最期に、わたしの好きな短歌を。 3階の窓から空に向け飛ばす輪ゴム 神さま僕はここだよ (田中ましろ) at☆宮崎キネマ館   http://iyamonogatari.jp/contents/yokoku.html

いちどだけ訪ねたことのあるかずら橋は、思いがけず高レベルの恐怖を味わえる橋でした。 そのかずら橋のある徳島県祖谷を舞台に、ずっとそこにいる人、移住してきた人、暮らしてゆく人、去ってゆく人を描いた作品。 村の経済を支える産業の大切さを訴える住民と、自然を保護する大切さを訴える移住してきた住民。自給自足の素晴らしさと、鳥獣駆除の必要性。いつまでも子どもではいられない人間と、いつまでも働き盛りでいられない人間。 ...
社会は多面的である。信じられる一面を見いだせたなら信じきれるなら幸福であるなぁ。ゆれる。常識も心も環境もゆれる。 「都会でダメだったから田舎だったらやれると思ってるんだろう」。 この台詞の「都会」と「田舎」はどんな言葉にも当てはまるようで、いっそ単語をそっくり入れ替えてしまってもいい。ここ数年見て来たこと感じてきたことを思い出しながら、見た。いい映画でした。     ※宣伝『うまのめぐり、岬のめぐり』というブログをしています。毎週更新しています。日曜日は、詩人の藤﨑正二さん。水曜日は、わたし。金曜日は、大崎奈津子さんの絵です。来年の3月末に終わることだけが決まっている仮想恋愛ブログです。近況は、岬で暮らしていた女が、岬をあとに旅に出ようかな…と思いはじめた感じです。よろしければ、ぜひご覧ください。わたしは、藤﨑さんの詩のフアンでなっちゃんの絵が大好きです。大事な友人の胸を借りて貴重な時間を共有できることが嬉しくて。毎週胸など心など、うちふるえています。ぷるぷる。 http://ameblo.jp/marumarutanka123/    

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更新日時:2014.11.21(金) 00:00:27

オイラのオイル

最近はやりのココナツオイルを、宮交シティのカルディで求めた。のは、10月。まだまだ日差しはつよくて、ココナツオイルも液体だったあの頃。歳月のすぎるのは、ほんとうにあっという間で最近のココナツオイルは固体。固まったココナツオイルを、スプーンでがりがり削って白いまま口に含むと、妙な舌触りでさわやかな朝のテンションが一気に下がる。ココナツオイルは特別うまいもん!というわけではないけれど、うまい!と感じるには、味覚意外に触感が大事なのだなぁと思う朝。最近は、お茶をいれるために沸かした薬缶のお湯にココナツオイルの底をちょっぴり浸して溶かして使用している。ところで、ココナツオイル。何の効用があったのだったかな…。起床後いちばんにココナツオイルを含んで口をうるおす。うがいをする。頭皮マッサージに使う。ココナツやジャスミンバニラなどの南方系のかおりは好きなので、使用するたびにうっとりしている。それで喉や頭皮がしっとりするなら嬉しい。 ☆ オリーブオイルは、奥がふかい。あまり詳しくないので、ヘタなことは言えないけれど。ときどきご飯をご馳走してくださるイタリア人のお兄さんは、サラダには必ず【塩】【オリーブオイル】【バルサミコ酢】の順番で味付けをする。サラダに限らず、仕上げには必ず【塩】【オリーブオイル】【バルサミコ酢】なのだ。いちど自宅で作ったパスタに、仕上げのオリーブオイルをたらしてみると!!!香りが鼻に抜ける心地よさ、旨さに衝撃をうけた。自分でつくったたいしたことないパスタなのに、すごく旨かったのです。 フレッシュなハーブをいただいたとき、できればフレッシュさを損なわないようにビタミンや風味を壊さないように使い切りたいと思う。けれど、単身だとそれもなかなかむつかしく。思いつく策は、冷凍・乾燥・酒漬け・砂糖漬け・塩漬け・オイル漬けなど。最近は、オイル漬けに凝っていて、いただいた大量のパセリとニンニクをオリーブオイルに漬けて保存している。パスタにスープに意外と使用頻度は高く重宝している。 ☆ オイル漬けシリーズで無視できないのが、【パクチーとショウガのゴマ油漬け】だろう。炒め物のスタートに、熱した鍋に投入するとたちまち良い香りを放つし買ってみたものの使用頻度の低いナンプラーとの相性も抜群なのであるので、嬉しくなってついつい料理しすぎてしまう。ショウガのよいところは、ニンニクと違って生で消費できること。もちろん、ニンニクもオイル漬けを生でいただいても結構ですけどね。旨いと思いますよ^^【パクチーとショウガのゴマ油漬け】は、美味しい豆腐にたっぷりかけて旨い塩でいただく。とか。新鮮なレタスのサラダに麺つゆとあわせてドレッシングにする。とか。例えばそんな使い方ができる。 ☆ 料理に使うオイルだけでなく、化粧オイルも好きでよく使っている。いつも使ってるのは、オイルと化粧水の二層になっていて使用する前によく振るタイプ。よく振っててのひらに出す。思えば、お化粧をはじめてもう15年くらいになるけれど、こういう化粧品にいちばんはじめに触れるからだの部位は左手の小指側の丘なのだね。オイルだって化粧水だってファンデーションだって、左手の小指側の丘を経てお顔にやってくる。アシストするのは、いつだって右手の人差し指だ。日々暮らしているのは狭いアパートなので、どこに何がどれくらいあるのかは全部把握しているのだけど、オイルは顔用髪用指先用手足用と散見される。そして食用のサラダ油ごま油オリーブオイル&ココナツオイル。オイルは軽くてよい香りで肌にえもいわれぬしっとり感と輝きを与えてくれるので、内外的に使うとよいと思います。 ☆ 【パスティッチョの仕上げのオリーブオイルまで追いつめて言い当ててしまえり】渡邊 円

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更新日時:2014.11.07(金) 00:00:21

日々のあれこれ

久しぶりに串間の実家に帰りました。 宮崎駅から串間駅まで行ける電車は一本前に終わってしまったので、南郷駅まで母に迎えに来てもらいました。南郷から家まで1時間の夜のドライブ。久しぶりに握るハンドルは、軽いなぁ。景色がびゅんびゅん過ぎてゆく。そしてもちろん辺りは真っ暗。             故郷で過ごす時間は、いつもあっという間。 仕事から帰って、ちいさな台所でつくるパスタ。自由を堪能してるなぁって味がします。   【家を出る理由ばかりを考えて伸びてしまった爪をつみつつ】渡邊 円

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更新日時:2014.10.25(土) 23:55:01

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