ちいさなこだわり~食・旅・短歌~

渡邉円

1982年串間市生まれ。
ある日短歌と出会い帰郷。
美味しい食べ物に囲まれて、宮崎ライフを満喫中。
「都井岬短歌大会」「歌垣」など宮崎県内で短歌イベントを開催。

檸檬~LEMON~

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檸檬~LEMON~ちいさなこだわり~食・旅・短歌~

〈雀のお宿に春が来て、お屋根の草も伸びました。

舌を切られた小雀は、ものの言えない小雀は、たもと重ねて、うつむいて、ほろりほろりと泣いてます。

父さん雀はかわいそで、お花見振袖購いました。

母さん雀もかわいそで、お花見お団子こさえます。

それでも、やっぱり小雀は、ほろりほろりと泣いてます。〉金子みすゞ「すずめのお宿」

3月4日付の読売新聞で出会った、金子みすゞの「すずめのお宿」は、日本の昔話のその後をイメージして創作された5編の作品のなかのひとつだそうだ。記事には、いじめにあったり不登校だったりの子どもの悩みを聞く女性が紹介されていた。傷や悩みを『話す』ことは『放す』こと。それを『聞く』ことは『効く』ことにつながる、とあった。女性は子どもたちに、それぞれの事情や状況に合わせた詩を紹介したり、贈ったりするうちに、子どもたちが変わっていく姿を目の当たりにしてきたそうだ。

それにしても、詩には力がある。「わたし」が主人公として「物語る」勇気をくれる。

物語の続きを思う。梶井基次郎の『檸檬』、あれの続きなど。梶井の檸檬はカリフォルニヤ産。

※『檸檬』は短編。ちょっとお時間いただけたらコチラでも読めます→ http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/424_19826.html

高村光太郎の『レモン哀歌』の智恵子は、レモンをがりりと噛んだのだった。智恵子が噛んだのは、国産レモンであって欲しいな。

 

数か月まえ、宮崎市内のライフスタイルショップにて、レモネードシロップ作りのワークショップに参加した。

 

東京からやってきたイケメン先生に教えていただいたポイントは、

①国産減農薬レモンを使う→皮まで安心して食べることができる。当日は、日南産レモンを使用。

②砂糖やスパイスを数種類準備する→いろいろ選べて楽しい。

③その後の物語を思う→シロップにひたした後のレモンの食べ方あれこれ(乾燥させてそのままおやつに、刻んでパンにケーキに焼き込む、肉料理の甘味に、など。皮からでる苦みを考えると熱を加える時間を短くしたいな☆)。

クローブとシナモンを効かせたレモネードシロップとフレーバーコーヒーの組み合わせは、一杯で元気の出る冬の飲みもので、まさに物語がうまれそう。

ベリー系のお茶にローズヒップ入りレモネードシロップの組み合わせは、ビタミンCがたっぷり入っていそうな、鮮やかな赤!これはポットに作ってたっぷり飲みたい!など。如何ようにも、物語は展開する。

 

雪舟えま歌集『たんぽるぽる』を、わたしは引っ越しのたびに連れてきている。この歌集の表紙は、タンポポの黄色が印象的である。春に読みたい本、夏に読みたい本、秋に読みたい本、冬に読みたい本が、それぞれにある。『たんぽるぽる』は春の本だ。

寄り弁をやさしく直す箸 きみは何でもできるのにここにいる

ごはんって心で食べるものでしょう?春風として助手席にのる

指なめて風よむ彼をまねすれば全方角より吹かれたる指

たんぽぽがたんぽるぽるになったよう姓が変わったあとの世界は

春は足音をたてて、風をひきつれて、やってくる。物語はやさしく存在するけれど、感傷にひたってばかりではいけない。しっかり寝て、旨いもの食べて、保湿をしっかりして、よい香りで、元気に、わくわくしていたい。旅もしたい。(最近の楽しみは、これを読むこと→ http://tabi-labo.com/2931/4dsk/ )

自然は常に意志的に、時に暴力的に、世のなかを動かしている。しかもしっかり私たちを把握しているらしい。それは、例えば一遍の詩歌に見出されていたりする。

【日月は眠るがごとし優しさの鍵は包んでポストに捨てる】渡邊 円

 

更新日時:2014.03.07(金) 00:00:17

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