ちいさなこだわり~食・旅・短歌~

渡邉円

1982年串間市生まれ。
ある日短歌と出会い帰郷。
美味しい食べ物に囲まれて、宮崎ライフを満喫中。
「都井岬短歌大会」「歌垣」など宮崎県内で短歌イベントを開催。

へべすサワーを君と飲むとき

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へべすサワーを君と飲むときちいさなこだわり~食・旅・短歌~

たのしみは~に始まる橘暁覧(たちばなのあけみ)の連作は『独楽吟(どくらくぎん)』に収められている。

【たのしみは 妻子むつまじく うちつどひ 頭ならべて 物をくふ時】

【たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時】

【たのしみは まれに魚烹て 児等皆が うましうましと いひて食ふ時】

【たのしみは 昼寝目ざむる 枕べに ことことと湯の 煮えてある時】

【たのしみは 機おりたてて 新しき ころもを縫ひて 妻が着する時】

食べものに関する歌も多くある。生活のよろこびって今も昔もそう変わらないらしい。

以前、短歌の先輩が「食事と短歌の宴」(うたげって言葉すてきですよね!)を開催した際に、

「皆さん【たのしみは~】ではじまり、【~とき】で終わる短歌をつくってみましょう!」

という演出があった。わたしも楽しく参加して、夏になると毎年思い出すような短歌ができた。

短歌は、どこからどこまでが真実であり虚構なのか…と聞かれることがよくある。それどころか、短歌に詠まれていることがすべて事実であると思われているふしもある。こんなことを言うと怒られてしまいそうだが、歌がよくなれば事実を変えてもかまわないのだとわたしは思っている。心の事実を短歌に表現できれば、そこに登場する人やモノが誰であろうと何であろうと構わない…。うーん、場合によって。なんですけどね。でも、真実だって思って読んでもらえるのは大変ありがたいのです。

 

例えば、今回のお題の短歌は31文字のうち

【たのしみは】の5文字 + 【とき】2文字 = 7文字を「必ず使う言葉」としている。

31文字 - 7文字 = 24文字を自力で生み出すのだ。声に出してみるのもいい。わたしは、たいがい喋りながら短歌をつくる。

【たのしみは ふふふふふふ ふふふふふ ふふふふふふふ ふふふふふ とき】

「たのしいとき、たのしいとき。なんだろう。お喋りしてる時って楽しいよねぇ。やっぱり2人がいいな。ちょっと近い距離で。となるとお酒かなぁ。」

【君と飲むとき】

結句は決まった。

「何を飲もうかなぁー。せっかくだから爽やかな季節を感じられる、香りの伝わるような飲み物がいいな。ビールじゃちょっと普通だし。宮崎の、宮崎の…へべす!いいね、へべす!」

【宮崎のへべすふふふふ】

へべすビール、へべすチューハイ、へべすモヒート、へべすワイン、へべすウォーター、へべすサワー!へべすサワー!いいね。へべすサワーを、君と飲もう!

【宮崎のへべすサワーを君と飲むとき】

【たのしみはふふふふふふふ宮崎のへべすサワーを君と飲むとき】

よし、いい感じだ。どんな宮崎だろう。どんな2人だろう。季節は夏の始まり?おわり?恋のはじまりの2人の会話もいいけど、より親密さを出したいな。もしかしたら終わりに向かっているかもしれない恋。それを感じさせるのは、めぐる季節。太宰も「明るさは滅びの姿だろうか」って言ってたし、夏のおわりでいこう。明るいわー。

という感じで、約5分ほどで完成した。

【たのしみは夏のおわりの宮崎のへべすサワーを君と飲むとき】渡邊 円

へべす蕎麦。

夏の盛りをむかえた瞬間、夏ももう終わりなのだと感じてしまう。暦のうえでは正しいのだね。人間も自然である。

更新日時:2014.08.07(木) 00:00:38

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