

2011年、宮崎の気候、人柄、食べ物の美味しさに惚れ込み移住。
マクロビオティックとの出会いをきっかけに、調理師免許を取得し料理講師として活動開始。
自身の心と体の変化をもとに「伝える」ことの重要性を感じ、宮崎の若手農家さんと一緒に、野菜の美味しさ・素晴らしさ・活用法を伝える活動に取り組んでいる。
「ナチュラルライフセラピーRian」も運営中。
子どもの頃から大好きな秋の味覚、栗。焼き栗、茹で栗、栗きんとん、栗ごはん。色々とあるなかで、私が一番好きなのが栗の渋皮煮。そして、毎年秋になると作る味。
もちろん今年も作った。綾町の無農薬栽培の栗を2㎏手に入れる事が出来た。無農薬栽培なので、虫食いが多いだろうと覚悟していたのだが、予想に反して虫食いはほんの数個程で残りはかなり綺麗な状態。一粒一粒が大きくて、そしてコロンと丸い形。これは美味しくなるのではないか…と期待感も高まる。
栗の渋皮煮で一番大変なのが、表面の固い鬼皮剥き。専用のナイフも売ってはいるが、1年の内この時期にしか使わない道具となると、買ってくるという事もないまま今に至っている。毎年、「さあ!剥くぞ!!」と言う時になって思い出す。そして、「まぁ、いっか!」と包丁で剥いてしまうのである。今年は2㎏しか準備しなかったので、1時間ほどで鬼皮は剥けた。ここからは地道な作業。渋を抜くために水と重曹を入れて鍋で煮る。弱火でコトコトと煮ると、すぐにお湯は赤茶色に濁る。火からおろしたら、渋皮に傷をつけないように、ずらした鍋のフタの隙間からチョロチョロと水道水を流し入れ、時間をかけて綺麗な水と入れ替える。そして、再び鍋に水と重曹を入れてコトコトと煮る。この作業を4回繰り返し、約3時間。最後に水と砂糖を入れて煮る。今回は和三盆を使ってみた。その後一晩置いてじっくりと甘みを含ませる。
私が作るものは基本的に薄味で、甘さも控えめ。今年の栗の渋皮煮は栗の旨味がしっかりと味わえる、ホッコリとした味となった。友達やお客様に少しずつお出ししていたら…あっという間に無くなってしまった。食べた人が「美味しい♪」と言ってくれるその一言が、大変だった作業の苦労を忘れさせてくれる。シンプルだけれど美味しいものは手間と時間が惜しみなく使われている。これだけの手間がかかるのだから、市販のモノがお高くなるのも当然なわけだ。
自分で作るからこそ分かる、食べ物への感謝。栗を栽培してくれる方にも、和三盆を作ってくれる方にも感謝。沢山の人の時間と手間と心があるから、美味しいものが頂ける。秋の味覚を噛みしめながら「幸せ」を実感する。日本人に生まれて幸せだ。
更新日時:2015.11.11(水) 19:43:38
原木舞茸を始めて口にした。
私はキノコが大好きで、いつも大量に買う。その日のうちに使いきれない時は、天日干しにしたり冷凍したりと、とにかくキノコは切らさない。炒め物やみそ汁などなんにでもキノコを入れる。もちろん舞茸も好きで、良く購入するがそれは菌床舞茸。まさか、原木舞茸が宮崎で栽培されているなんて思いもしていなかった。そんな私が原木舞茸に出逢ってしまった。
宮崎では、原木椎茸の栽培がさかんなので、生椎茸も原木栽培のモノが手に入りやすい。普段、使っているのは原木乾椎茸。出汁にはもちろん、戻した椎茸も料理に大活躍している。原木椎茸の味を知ると、もう菌床椎茸には戻れない…。それ位原木栽培のモノは味が違う。その違いを知っている私にとって「原木舞茸」と耳にした瞬間、「食べたい!!!!」と思うのは当然のことだった。
原木舞茸を栽培しているのは宮崎県美郷町(旧南郷村)渡川(どがわ)地区の渡川山村商店さん。代表の今西さんがFacebookで「街市で販売します!」と投稿されていたのを見た時にすぐさま「欲しい~!」と書き込んだ。が、しかし…その販売される日は私は仕事で行けない。涙を飲んで諦めようかと思ったが、今西さんのご厚意で販売日の前日に街中で待ち合わせして購入させてもらえる事になった。車のトランクに積まれた大量の舞茸たち。香りが、香りが凄い!!中には1kgの大きさのモノまである。私の顔よりも大きい。流石に1㎏は「食べきる事は出来ないと思いますよ。」との今西さんのアドバイスから、260gの物を購入(1枚目の写真)。どんな料理にしようかとワクワクしながら帰宅した。
この原木舞茸、とんでもない程の手間ひまをかけられて育てられている。栽培過程のブログはコチラ → クリック。これを読んだだけでも、どれだけ大変なのか…。1年間で、9月下旬~10月上旬の約2~3週の期間しか採れない原木舞茸。とても貴重で有難いキノコ。その香りは部屋に一株あるだけで、部屋中が舞茸の香り。そしてその歯ごたえは、今まで食べた舞茸は舞茸ではない!と思わせるほどのシャキシャキとした食感。これが本物の舞茸なのか…。シンプルにフライパンで炒めて塩をふりかけるだけで、もうそれだけで美味しい。食材の持つ力に素直に感動した。
シンプルに天ぷらも美味しい。和風の料理にはもちろん合う。が、あえてパスタの具にしてみた。舞茸だけを先にソテーして軽く醤油で味付け。具にはトマトと秋茄子と冷蔵庫に常備してある塩麹キノコを入れた。最後のトッピングにソテーした舞茸を乗せて。これが本当に幸せの味。日本人でいて良かった。宮崎に住んでいて良かった。心から思える瞬間だった。こんなに美味しい食材を、心を込めて、手間暇をかけて栽培してくれる方がいる事に本当に感謝するばかりだ。全国的に見れば田舎である宮崎とはいえ、街中で暮らす私の手元に原木舞茸がやってくるなんて「有る事が難しい」。本当に有難い。
更新日時:2015.10.05(月) 12:59:03
先日、料理教室の講師をさせて頂いた。
「親子deお弁当作り」という事で、簡単に作れるマクロビオティック料理をご紹介した。メインのメニューは「ゴボウのミートボール風」お肉は使わないのに、まるでお肉!小さいお子さんも喜んでパクパクと食べてくれるメニュー。材料はゴボウ、玉ねぎ、しめじ。それにパン粉や小麦粉、調味料を入れるだけと、至ってシンプル。シンプルだけど、思わず「美味しい~!」と言ってしまうメニューなのだ。案の定、料理教室に参加してくれた子供たちは何度もお代わりをしてくれた。その様子を見ていたお母さんが「お肉じゃないって、言わなかったら分からないかもです。こんなに食べてくれるなんて!」と驚いていらした。普段はどうやって野菜を食べさせようかと悩んでいらっしゃるのに、こんなに簡単にゴボウや玉ねぎを食べてくれる。お肉でなくても満足してくれる。その様子を間近で見る事が出来る、この料理講師と言う仕事は本当に楽しくてやりがいがある。
このゴボウボール、沢山のアレンジが出来るので重宝する。ミートボール風はタレに絡めるだけなので一番シンプル。私は酢豚風がお気に入り。玉ねぎ、ピーマン、人参を油で炒め、火が通ったらゴボウボールを加えて甘酢あんで和える。オール野菜。だけど、しっかりボリュームがあって男性でも満足してもらえるメニューの一つ。この他にも肉団子のトマト煮風、肉団子風スープ、カレーの具にしてみたり、パスタなんかも面白い。
食物繊維たっぷりのゴボウ。不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく含んでいるのが特徴だ。不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を活発にしてくれる。水溶性食物繊維は血糖値やコレステロールのコントロールをしてくれる。毎日の食卓に取り入れれば生活習慣病を防いでくれる。
宮崎産のゴボウは春から秋にかけて良く手に入る。鮮度のいいものを手に入れたいなら、土つきのゴボウを選んでいただきたい。そして、出来れば無農薬のものを皮ごと調理してもらえるとゴボウの恵みを丸ごと食べられるのでお勧めだ。ゴボウ料理に悩んだ時に、このレシピを思い出してもらえれば、とても嬉しい♪
ゴボウのミートボール風
【材料】(4~5人分)
ゴボウ・・・1本
玉ねぎ・・・1個
しめじ・・・1パック
パン粉・・・1/4カップ
塩・・・小さじ1
醤油・・・大さじ1
小麦粉・・・全体量の1/4
ナツメグ・・・少々
揚げ油・・・適量
ごま油・・・適量
甘酢あん
醤油・・・大さじ2
純米酢・・・大さじ1
水・・・大さじ2
米あめ・・・大さじ1(なければ、てんさい糖・・・大さじ1/2)
くず粉・・・小さじ1(なければ、片栗粉)
【作り方】
①ゴボウ、玉ねぎ、しめじをフードプロセッサーにかける。
②フライパンにごま油を熱し、1を香りが出るまで炒める。
③炒めたらボウルに移しパン粉を混ぜる。全体をヘラで平らにならす。全体の1/4部分に隙間を開ける。空いた隙間に小麦粉を入れる。
④塩、醤油、ナツメグを加えてよく混ぜ合わせ、ボール状に丸めて、油で揚げる。
⑤甘酢あんの材料を小鍋に入れ、中弱火にかけながら泡だて器でよく混ぜる。沸いたら弱火にして1分程煮る。
⑥揚げたミートボール風を甘酢あんにからめて完成!!
更新日時:2015.09.07(月) 23:30:22
今年の梅雨は長かった…。
太陽のイメージが強い宮崎。その宮崎で1ヶ月も太陽が見えないとは、なんとも珍しい年だと思う。料理をするにも肌寒い日が続くと、根菜を多く使った煮物が食卓に並んでいた。そんな宮崎もやっと梅雨が明け、いつもの暑さが戻ってくると、食べたくなるのは夏野菜。トマト、ゴーヤ、茄子、大葉、トウモロコシ などなど。スーパーの買い物かごの中に、ぎっしりと夏野菜を放り込む。宮崎は有機野菜や無農薬栽培の野菜が、すぐ近所のスーパーで手に入る。お値段も高くはない。時には安い事もある位だ。私が宮崎に移住してきた理由の一つは、野菜が安い、そして美味しい、しかも安心して買える。陳列された商品に添えてあるPOPに生産者の顔が載っていたりすると「この人が作った野菜なんだ。どんな味かな。美味しいかな。食べてみよう。」となる。作られている地名も馴染みがあると、さらに買い物の手が伸びやすくなる。
暑い日に食べたくなるのは、そうめん。暑い季節は食卓に上る機会が多くなるメニュー。そんなそうめんも少し味付けを変えてみると、食べ飽きる事もない。私のお気に入りは「トマトと大葉の冷製そうめん」。トマトとバジルの冷製パスタをそうめんで作るのである。味付けはオリーブオイルに塩コショウ、酸味に平兵衛酢(へべす)を絞り、お好みで柚子胡椒で辛みを付ける。この味付けがトマトと大葉の爽やかさをさらに引き立ててくれる。イタリアンのようでいて、和風な味。しかも使っている材料は、ほぼ宮崎産。食欲がなくなった時でも、きっとツルツルと食べれるはずだ。
その他にはゴーヤと茄子の味噌炒め。ゴーヤの苦みが大好きな私は、夏には必ずゴーヤを食べる。ゴーヤには、カロテン、鉄分、カリウム、ビタミンCなどが多く含まれているので、疲労回復効果や夏バテ予防になる。そして、宮崎のトウモロコシ「ゴールドラッシュ」。たた、蒸しただけ。それをガブッと食べる。これが本当に美味しい。その日の朝の採れたてが手に入れば、すぐに蒸す。茹でるよりも蒸した方が、粒がプリプリとして旨味が強く感じられる。ぜひトウモロコシは蒸して食べてみて欲しい。
宮崎の夏野菜は、太陽の光を沢山あび、すくすく育って、私たちに沢山のパワーを分けてくれる。やはり宮崎には太陽が良く似合う。これからが夏本番。沢山の夏野菜をどう料理するか、それを考えるだけでもワクワクする。今年も夏を楽しむ事にしよう♪
トマトと大葉の冷製そうめん
【材料】(一人分)
そうめん … 1束
トマト … 1個
大葉 … 2~3枚
オリーブオイル … 大さじ1
へべす汁 … 大さじ1
塩・コショウ … 少々
柚子胡椒 … お好みで
【作り方】
①そうめんを茹で、ザルに取り、流水で一気に冷やす。
②トマトを角切りにし、大葉を千切りにする。
③ボウルに調味料を入れてよく混ぜておく。
④1のそうめんの水気をよく切り、3のボウルに入れ、ひと混ぜする。
⑤4に2を入れ、さらによく混ぜる。
⑥器に盛り付ける。
更新日時:2015.07.20(月) 16:09:53
甘酒というと冬の飲み物のような気がする。
そんな人は少なくないと思う。私自身、子供の頃に甘酒を飲むと言えばお正月だった記憶がある。そのイメージから冬の飲み物だと思いがちかもしれない。
実は、俳句では夏の季語として使われている甘酒。江戸時代、天秤棒担いで甘酒売りが練り歩いていたのは夏場だったそうだ。江戸時代は真冬よりも真夏の方が亡くなる人の数が多かったと言われている。冬の寒さよりも夏の高温多湿の方が人の体にダメージを与えていたらしい。気温が高いと食中毒も起きやすい。夏バテで食欲がなくなり、体力が落ちる事で亡くなる人も多かったのだろう。そんなときに飲まれていたのが甘酒だったのだ。
甘酒は米麹を発酵させたもので、米のデンプン質を糖化させた飲み物。ブドウ糖がたくさん含まれているので甘くなる。酒と言われているがアルコール分は含まれていない。食物繊維とオリゴ糖が腸内環境を改善してくれるので美肌効果や便秘予防効果がある。また沢山のビタミンやアミノ酸も含まれているのでまさに夏バテ改善には打って付けの飲み物なのである。その事を江戸時代の人は知っていて、気温の高い夏場に短時間で発酵し出来上がる甘酒を売って歩いていたのは当然の事なのだろう。
私自身も甘酒を手作りして飲む。食欲がなくなって固形物を食べるのが億劫になったときに、甘酒を冷やし、豆乳などで割って飲んだりる。甘酒の甘さが優しく体に沁み渡り、暫くすると元気が出てくる。さらにここ数年は甘酒を凍らせて食べるのがお気に入りだ。最初は余った甘酒を冷凍保存していただけだった。ある日、宮崎の熱い太陽の下、火照った体を冷やす術を探して冷凍庫を開けたときに目についたのが冷凍甘酒。思わずそのままスプーンですくって一口食べた。甘酒がのど元を通ると同時に、す~っと身体を冷やしてくれる。美味しい!糖分が多い甘酒は冷凍してもガチガチに凍る事はなく、シャリシャリとシャーベット状になる。そんな凍った甘酒を見ながらもっとアレンジをしてみたくなってきた。
手作りした甘酒を使うのも良いが、今では簡単に美味しい甘酒を手に入れることが出来る。私のお勧めは宮崎県産の米麹と米のみを使用して作られた飫肥糀。しっかりとした甘さがあるのでスウィーツに加工しても美味しい。この甘酒と手作りした豆乳ヨーグルトでさっぱりとしたアイスクリームを作ってみた。フレッシュミントと一緒に食べると、爽やかな香りと程よい酸味、そして甘酒独特の優しい甘みが口の中に広がって幸せな味になる。もう一つ、ちょっと変わり種で、甘酒とトマトのアイスクリームも。これが、トマト好きにはヒットな味だ。色もピンクになって可愛い。砂糖、乳製品不使用のオールベジタブルアイスクリーム。アイスクリームは好きだけどカロリーが気になる、そんな方にぜひお試しいただきたい。作り方もとっても簡単。混ぜて冷凍するだけ。
甘酒アイス。作ってみたくなったでしょ?
甘酒アイス
【材料】
(豆乳ヨーグルト味)
甘酒 … 250g
豆乳ヨーグルト … 200g
塩 … 一つまみ
(トマト味)
甘酒 … 250g
ホールトマト … 150g
塩 … 一つまみ
※分量は目安です、お好みで調節してください。
【作り方】
①全ての材料をミキサーにかけなめらかにする。
②1を容器に移し、冷凍庫で冷やし固める。
③1時間ほどで取り出し、スプーンで全体を混ぜ、再び冷凍庫に入れる。
④全体がしっかり固まったら器に盛り付け、ミントを飾る。
更新日時:2015.05.28(木) 23:51:49
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