市場価格の20倍で商品を販売する方法(後編)。~海幸・山幸マルシェ 日南2014~
生産者でもなく、飲食店経営もしていない僕が、「日南の食」をテーマに店舗を出店し、さらに利益も上げなければ行けない。設備や機材も無いので、一から準備しなければならない。しかし、マルシェは2日間だけなので、機材に大きな投資もできない。さらに、本来の仕事もあるので、そこまで準備に時間を咲くこともできない。 状況的にはかなり厳しい環境であったけれども、顧客は子どもたち。日南の食をテーマにして、子どもたちに喜んでもらえて、しっかりと利益が上がる仕組みを作る。 そこで、目をつけたのが金魚すくいだった。 金魚すくいは時代が変わってもお祭りでは必ず子どもたちが群がるキラーコンテンツである。さすがに金魚は食べられない(はず)なので、ヤマメのつかみ取りでもしようかと考えたが、原価がめちゃくちゃ高く、かつ管理も難しそうなので却下。ノボリコという小さい魚を金魚すくい見たいに救ってみようかと思ったが、ノボリコを調達&管理するのが大変そうなのでやはり断念した。 「なにか、いいアイデアは無いかなー」と思って考えていた時に、とあるみかん農家さん宅の庭でキンカンが大量になっている、という噂を聞きつけ、金魚すくいではなく、スーパーボールすくいの要領で、キンカンをすくってみたらどうだろうか、と思い至った。家で実験してみたところ、難易度的にもちょうどいい! キンカン自体も「きんかんたまたま」のようなブランドものではない、ただ庭でなってるものなので、原価も抑えられる。結果、みかん農家さんからキンカンを40個200円でゆずってもらうことにした。 後は人出の問題だけ。この件を日高勇さんという方に相談したら、「やろう!ガンガンやろう!」と、とっても頼りになる返事をいただいたので、備品の準備等々の細かい部分はお願いさせていただいた。とても頼りになる素晴らしい方でとっても助かった! これで準備は万全!あとは当日を待つのみ。である。 想定は見事にあたり。一回200円という料金設定も調度良かったらしく、1日目から子どもたちが、キンカンプールに押し寄せ、大賑わい。中には相当上手な子もいて、たくさん取られたけれど(笑)、最終的にはしっかりと利益を出すことができた。 利益をだすことは、市場に評価をされていること。市場というのは「人間のニーズ」の集合体なので、市場に評価されるというのは、みんなのニーズに応えられている、ということなので、自信をもって胸を張れることである。 もともとは、1個5円でしか売れなかったキンカンを、遊びの要素を加えて200円で売る。大事なのは、お客さんは「何を買っているのか」を知ることである。今回のキンカンすくいでは、だれ一人としてキンカンを買っていない。「水に浮かんで流れているキンカンを、敗れるかもしれないポイでスリルを感じながらすくう楽しさ」を買ってくれているのである。もっと言うと、親御さんが「我が子、我が孫が一生懸命に挑戦している様子を見たり、一緒に遊ぶこと」を買っているのである。 結果的には原価率は5%台に収まり、市場価格の20倍でキンカンが売れた。大事だったのはキンカンを売るときに、「お客さまは本当は何を求めているのか」をちゃんと把握すること。もし、普通のキンカンをそのままキンカンとして販売していたら、大赤字になっていたはずである。 ちなみに、今回出た利益は、手伝ってくれたメンバーと日南市内で、打ち上げでBBQをして、残った利益は手伝ってくれたみんなにお返ししました。(数百円だったけれど。苦笑)
更新日時:2014.05.31(土) 09:42:56