科学から生み出す、長年愛され続ける和菓子-水野真吾

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水野 真吾(みずの しんご)

1979年生まれ、宮崎市出身。
大正2年創業。西都市に本店を置き宮崎市内にも2店舗を構える和菓子の老舗「水野屋」の専務として、三代目となる父とともに伝統を守りながら新商品開発にも取り組んでいる。

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  • 【西都本店】
    宮崎県西都市中妻1丁目12
  • 【電話番号】
    0120-098-353
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科学から生み出す、長年愛され続ける和菓子-水野真吾
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100年以上愛される和菓子の老舗「水野屋」

「宮崎エリアでご進物の和菓子は?」と言えば、多くの人が名前を挙げるのが「水野屋」ではないでしょうか。一品、一品の美味しさはもちろん、洗練されたフォルムや色合いで100年以上愛されている和菓子の老舗。特に、「うすでこ」は地元西都市の伝統芸能である「臼太鼓踊り」から名付けられた水野屋の代表的な逸品です。餅から作った皮と瓶詰の餡がセットになっていて、食べる直前にお好みの量の餡を皮に乗せて最中が完成。皮のサクサク感と柔らかな甘さの餡のマッチングが絶妙です。

今回お話を聞いたのは、水野屋専務取締役の水野真吾さん。曾祖父の代から受け継がれたこのお店で伝統の味を守りながら、新しい商品作りにも取り組んでいます。水野さんに、西都市の本店で実際にお菓子作りを見せて頂きながらお話を聞きました。

全国から厳選された原料と地元の特産品を生かす

水野屋の店舗は、西都の本店と、美術館や劇場、大学などが近隣に立ち並ぶ宮崎の文教エリア、宮崎市神宮1丁目にある宮崎店、そして中心市街地にあるデパート宮崎山形屋の地下に店舗を置く山形屋店の3店舗。毎朝、午前7時前には職人さんたちが西都の本店に出勤。3店舗分の和菓子を作り、それぞれの店舗に商品を運んでいます。
一番多く出るのは、水野屋を代表する銘菓「常庵最中」。粒あん、漉しあん、抹茶、柚子とありますが、中でも柚子は西都の特産品である西都市銀鏡(しろみ)の柚子をたっぷりと用い、地元ならではの味と香りを堪能することができます。

水野屋の和菓子は、北海道産の小豆や、岡山県備中産の大納言小豆、沖縄県波照間産の黒糖や徳島県の和三盆糖など全国各地から原料を厳選しています。合わせて冬の人気商品の苺大福には西都市穂北の完熟苺を取り入れるなど、地域とのつながりも大切に商品作りを行ってきました。
 また、夏のお菓子の中でも6月限定で伝統行事「夏越祓(なごしのはらえ)」にちなんだ「水無月」を販売するなど、季節に合わせた期間限定の商品もあり、年間を通していつでも買い物に寄るのが楽しみなお店です。

様々な要因が絡み合い誕生する「お菓子は科学」

今年の春には大手飲料メーカーのプレゼントキャンペーンの商品に、宮崎県代表の和菓子として選ばれるなど、「伝統を守る老舗」というイメージを個人的に持っていたのですが、水野さんとお話をしていて、意外で印象的だったのが「お菓子は科学」という言葉です。何からどのように作られるか、どんな相互作用や反応があって出来上がるか。原料の品質であったり、気温や湿度であったり、様々な要因が絡み合ってお菓子が産み出されていくことを、常に念頭に置いて日々の仕事に向きあっているんだそうです。

これからは、お客様の中でも若い人の層にアピールできるものを考えていきたいと語る水野さん。若い人向けの商品開発だけでなく、西都市内で開かれるハンドメイド雑貨やアクセサリーの販売、生演奏のライブもあるコラボイベントに出店し、季節の商品や定番の最中・どら焼きを参加者に販売するなど、積極的にフィールドを広げています。抽象絵画からインスピレーションを得る事が出来る様なセンスを磨き、宮崎県外の和菓子店も意識しながら視野を広げていきたいと意気込む水野さんが産み出す「科学された」水野屋の新しいお菓子の誕生が楽しみです。

取材: 横山美和 (よこやま みわ)
宮崎市出身。宮崎大宮高校を経て、立教大学社会学部へ進学。在学中よりフリーアナウンサーとして活動。2003年に帰郷しテレビ宮崎入社。現在は子育てをしながらUMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送、宮崎サンシャインFMの番組、CM等に出演の傍ら、宮崎県内で絵本とピアノのステージ「おはなしとおんがくの森」の公演も行う。
facebook: 横山美和

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