「冬虫夏草」を通して、地域の活性化に繋げたい-山﨑浩

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山﨑 浩(やまさき ひろし)

大手の建設会社に勤務した後、宮崎市の過疎化対策のため企業誘致の会社を経営するも激務のため体調を崩す。その時に出会った「冬虫夏草」をより多くの人に広め、宮崎を生産地にして地域の活性化に繋げたいと起業。宮崎市のふるさと納税や、宮崎県の物産館で取り扱われるなど、販路を広げつつある。
宮崎ゴールドファーム代表取締役。

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楊貴妃も愛用した薬膳キノコ「冬虫夏草」

「冬虫夏草」(とうちゅうかそう)をご存知ですか?文字だけを見ると、虫のような、薬草のような、、、、。冬虫夏草とは、チベットで5000年前から伝わるという薬膳キノコのこと。服用すると腸内細菌を増やし、秦の始皇帝も不老不死のために、冬虫夏草を求め、楊貴妃も愛用したとされています。
 近年では、国威高揚を目指してオリンピック選手強化に取り組んだ中国の女子陸上チームが食事に取り入れ、1996年アトランタ五輪では16個だった金メダルの数が、2008年の北京大会では51個を獲得し、冬虫夏草に注目が集まりました。

しかし、急激な人気の高まりや酸性雨などの環境破壊により収穫量が激減。そのため、テレビ番組の特集では1キロ800万円の「幻のキノコ」とセンセーショナルに伝えられることもありました。
 その「幻のキノコ」を、チベットから遠く離れた日本の宮崎で生産・販売している会社があります。宮崎ゴールドファームの山崎浩さんにお話を伺いました。

冬虫夏草との出逢い

 山崎浩さんが、冬虫夏草を生産・販売を行う「宮崎ゴールドファーム」を立ち上げたのは2014年。自身が大病を患った際に知人に「身体に良い」と薦められたことがきっかけでした。元々は大手企業に勤め、その後、宮崎県の活性化のためにと企業誘致を手がける会社を経営。激務をこなしながら、地域活動やPTA活動にも積極的に参加するなど多忙を極め、山崎さんは体調を崩しました。心身ともに調子を疲弊し、ふさぎ込んでいた中で知人に薦められたのが幻のキノコ「冬虫夏草」だったそうです。
 その後、健康を取り戻した山崎さんはこの「冬虫夏草」を一生の仕事にしたいと思うようになりました。この存在を多くの人に知ってもらい、健康になることで喜んでもらいたいという思いから会社を設立。山崎さんの決意に賛同した出資者の中には、同じくこの「幻のキノコ」を服用しながら病気に打ち勝ったという人もいるのだそうです。

 実際に生産している作業所を見せて頂くと、部屋の中は成長を促すために煌々とLEDライトが照らされ、棚にずらりと並べられた瓶の中では、菌を打ち込んだ特殊な菌床の層からキノコが生えています。原産地では乱獲がすすみ、高額な偽物も出回っているというキノコが、遠く宮崎県の屋内の工場でひっそりと育てられているというその光景に不思議な感動を覚えました。
 ここで育てられた冬虫夏草は、お菓子やお茶、ドレッシングなど様々な形の商品として販売されています。また、冬虫夏草をより親しみやすいものにするために、社内のスタッフで新しいネーミングを話し合い「花きのこ」という商品名を考案。販路拡大を図っています。

地域貢献とともに、宮崎の名産として

培養に必要な菌を手に入れるために、宮崎という小さな町から中国に渡り、粘り強く交渉することで、安心安全な「本物」の冬虫夏草を生産する事に成功した山崎さん。理念を同じくする国内の数社とも提携し、多くの人に健康な暮らしを届けようとしています。

健康であるということは、日本で膨らみ続ける医療費を抑え、後世の子どもたちの暮らしを守ることにもつながります。また、この「冬虫夏草」を研究し作業所を増やして行くことで、宮崎県内の過疎化が進む地域でも産業を生み出し、高齢者の生きがいとして、そして若い人が帰って来ることができる町づくりの礎にできればとの展望も描いている山崎さん。「幻のキノコ」で社会貢献をしながら、冬虫夏草を宮崎の名産にという志を胸に、今日も奮闘しています。

取材: 横山美和 (よこやま みわ)
宮崎市出身。宮崎大宮高校を経て、立教大学社会学部へ進学。在学中よりフリーアナウンサーとして活動。2003年に帰郷しテレビ宮崎入社。現在は子育てをしながらUMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送、宮崎サンシャインFMの番組、CM等に出演の傍ら、宮崎県内で絵本とピアノのステージ「おはなしとおんがくの森」の公演も行う。
facebook: 横山美和

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