沼口明典 コラム-農業はバランス!?-

【第2回】こだわりのピーマン生産者キターッ!

前回に続いてピーマン生産者を紹介しマース。

今回は西都市内でピーマン栽培している2名の生産者のハウスにお邪魔してみました。

まず一人目の生産者は市川充生(イチカワミツオ)さん。彼は約26アール(2,600㎡)のハウス面積でピーマンを作っています。


 
彼の出身は五ヶ瀬町、高鍋農業高校を卒業した後、奥さんの実家で後継者として働き始めました。経営譲渡してからは更に栽培技術を磨き、彼のピーマン収穫量は、毎年、西都市のピーマン生産者約300名の中でトップ10に入るほどの実力者でした。

そんな中、収穫量増が目標だった彼にピーマン栽培の転機が訪れました。4人の子供たちが食卓に並ぶ自家製のピーマン料理を『苦くて不味い』と言って食べなくなったのです。
これまで『量』ばかりを追い求め、『質(食味)』には全く関心が無かったのです。大量の肥料を土に与え、ピーマン作りに取り組んできた結果、土壌の養分バランスが乱れてしまったのです。

一般的に、土の中の養分バランスが崩れると、植物の根は健全に伸びません。根とは人間の身体器官に例えると『胃腸』ですね。胃腸が弱ってしまうとスムーズな養分吸収が出来なくなってしまいます。
特に、カルシウムやマグネシウム等、ミネラルと呼ばれる養分の吸収が悪くなります。その結果、苦いピーマンになってしまうのです。

彼は自分の子供たちにおいしいピーマンを食べさせたいという気持ちから、長年の経験を根底から覆しました。栽培技術の一つ一つ、先ずは土づくりの技術から見直したのです。
数年間、試行錯誤を繰り返し、莫大なデータ収集に取り組んだ結果、自分の子供たちが喜んで食べる食味の良いピーマンづくりに成功しました。
そんな彼が生産するピーマンは、『他のピーマン農家が買って食べるほどの美味しさ』と言われるほどになったのです。これって、まさにプロジェクトXではないでしょうか?

現在、市川さんのピーマンは大手量販店、イトーヨーカドーに出荷しています。イトーヨーカドー店内では『顔が見える野菜』シリーズとしてブランド化され、彼の似顔絵付き小袋で販売されていますョ。
近くにお住まいの方は是非、チェックしてみて下さいね!

 

2人目の農家さんは珍しいピーマンの品種を栽培している菅原和俊(スガハラカズトシ)さん。

彼も市川さんと同様、長年ピーマン栽培に取り組んできた生産者。いつも何か新しいことにチャレンジしたいという気持ちが強い方です。
なにか新しい、そして美味しいピーマンを作りたいと強く願う、そんな菅原さんが出会ったのは、『ちぐさ』という珍しいピーマンの品種でした。

とあるピーマン栽培勉強会の時、ピーマンを育種する研究団体の方からの紹介でした。『このちぐさっていう品種は、かのテレビ番組、料理の鉄人の陳健一氏が指名買いする品種なんですよ。しかし、栽培が難しいのでいまや、栽培する農家が殆どいないんです。菅原さん、頑張って栽培してみませんか?』と提案をもらったのです。

ピーンときた菅原さんは早速、ちぐさピーマンの栽培に取り組み始めました。おなじピーマンの仲間でも品種が変われば栽培技術もガラッと変わります。ちぐさピーマンは、ピーマン品種の中でも『ベル型品種』と呼ばれる品種、ベル(鐘)の形をしているからそう呼ばれています。
普通のピーマンと比べて、やや大きめのサイズで肉厚感のある品種。

しかしながら、ちぐさピーマンの栽培は大変、困難なものでした。思ったように収穫量があがらないのです。
また、普通のピーマンと比べて、あまりに希少な品種であることから、販売面でも苦難が続きました。量販店など、買い手側の理解が得られ難い品種だったのです。
『ちぐさ、美味しいピーマンなのに中々、理解して貰えない…。』そんな状況の中でも、菅原さんは黙々とちぐさ栽培に取り組みました。栽培が難しい品種でありながら、栽培技術の改良も諦めませんでした。その後、収穫量も少しずつ増え、品種の特性がわかるようになった頃には、嬉しいことに買い手からのオファーが増え始めたのでした。『継続は力なり!』菅原さんの思いが力強く伝わった結果ではないでしょうか…。

ちぐさピーマン、宮崎県内ではフーデリー全店にて販売されています。
フーデリー店内はまさに食のワンダーランド!
溢れるほどの魅力的な食材の中に『ちぐさピーマン』が並んでいます。
是非、お店まで足を運んでみては如何でしょうか?

今回は2名の情熱あるピーマン生産者を紹介しました。生産者の熱意ってホント素晴らしいものです。生産者の想いがこめられたピーマン、沢山、食べて下さいネ!^^!

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更新日時:2012.12.22(土) 20:08:30

【第1回】初回はやっぱりピーマンでしょ!

初めまして、美人女性2人に続いてコラムを執筆することになりました。

『農業はバランス!?ってナニそれ?』という感じがしますが、私自身が県内あちこち飛び回って訪問している農業生産者、農業関係者の取り組みについて農業サイドよりの見解としてコラムを書きたいと思っています。

少し、専門的な内容も含みますがオモシロ・可笑しく?ウンチク有で紹介できればと思っています。どうぞ宜しく!!

初回は私自身が農業技術を初めて培った野菜、ピーマンについてちょこっと紹介します。

前々職時代は西都市内の農業生産者との仕事が殆ど、西都市の主たる農産物といえば、それはグリーンピーマン!最盛期になると1日に数十トンのピーマンがJAに出荷されるほどの国内有数の大産地です。

ピーマンといえば通常、夏秋野菜ですが、宮崎県内(特に平野部)で生産されているピーマンの殆どは冬春時期に栽培されています。続にいうハウス促成栽培ですね。

また、ピーマンは学術的には『果菜類(果物のようになる野菜のこと)』として扱われ、更に細かく言えば『ナス科』に分類される野菜です。その他ナス科に含まれるものとしてトマトも(なんとタバコも!)ナス科に属します。近い部類の植物ながら、生まれる果実の色が全く違うって不思議ですよね。

さてここでウンチク、ピーマン栽培など『果菜類』の生産で何が一番、重要でしょうか!?

果菜類の野菜は、植物が大きくなり、花を咲かせ、実となってぶら下った果実が始めて収穫物になります。一方、ほうれん草は葉っぱ、だいこんは根っこが収穫物ですね。例えが悪いかもしれませんが、ピーマン(果菜類全般)栽培では、植物そのものは『お母さん』であり、ピーマン果実は『赤ちゃん』と言っていいほどなのです。母子ともに健康でなければ美味しいピーマンは生産できません。

ハウス栽培のピーマンは、おおよそ10月下旬から翌年6月上旬頃まで収穫し続けます。つまり、『長期間にわたって、植物そのものを病気や害虫、更には災害から守り、健全に生長させながら、継続的にピーマンの果実を収穫していけるかどうか!』が重要なポイントです。母も子も大事に育てなければならないのがピーマン栽培技術の重要なバランス感覚になります。

一般の方が、菜園などで夏野菜を栽培しにくいのはこの『バランス感覚』が乏しいからといっても過言ではないでしょう。

話し変わりますが、ピーマンそのものはビタミンCを多く含みます。最近は栄養補助食品のCMが目立ちますが、私自身、是非、野菜で栄養を摂取して頂きたいと願うばかりです。宮崎県のピーマンは冬場のビタミン供給野菜として国から産地指定を受けているほどです。宮崎県のピーマンが日本国民の栄養補給生産基地って素晴らしいことですよね!

これから更に寒い季節になってきます。鍋物野菜もたくさん食べて欲しい

のですが、風邪の予防にたっぷりのピーマンも召し上がって下さい^^。

(次回、生産者紹介へと続く!)

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更新日時:2012.12.05(水) 21:19:47

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