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こだわり店舗


日本料理喜庵一能
~飫肥の歴史と日本の伝統。 素材の生きるお料理と、心のこもったおもてなし~

城下町の古民家で味わう

飫肥城の大手門から南に歩を進めると、大きな生け垣や往時を偲ばせる建物が並ぶ細道があります。
細道を左に進むと、伝統的建物群にとけ込むようにそのお店はあります。ここがお店であることを知らせているのは、入り口に表札のようにかけられた一枚の木札のみ。

お店は築100年以上の古民家。
重みのある玄関を開け、靴を脱いであがります。そこには広い縁側があり、気持ちよく揃えられた室内履きが用意されています。
部屋は襖で仕切られており、完全プライベートルーム。「隣に知らない方がいるとゆっくり出来ないだろうから」という配慮から、部屋数にあわせて昼夜各3組限定。

黒木一雄さんご夫妻がお店を始めてから6年。
次回のおもてなしに備える、分厚いお客さまノートは7冊目。そこには「献立」と「料理を盛った器」などが記されており、「毎回お客さまに楽しんで貰えるように」という気持ちが伝わってきました。
また、お二人は「出来ることをやるだけです」ととても謙虚。「お客さまをがっかりさせないようにしたい」という気持ちは、気配りや会話からも十分に伝わってきて、古民家が一層居心地のよい空間になりました。

ランチは二種類。要予約。

飫肥膳(2100円)と昼懐石(3150円)。
内容は、前菜盛り合わせから、お吸い物、お造り、焼きもの、煮物、ご飯、デザートなどが順に運ばれてきます。絶妙なタイミングで次の料理を運んでこられ、一品づつ料理の説明もして下さいます。

今回は飫肥膳を頂きました(取材日3月中旬)。
まず運ばれてきたのが前菜盛り合わせ。一目見て「春だなー」と思わずにっこり。季節感を大事にされているところが、器にもしっかり現れていました。器は一雄さんが30年かけて収集した宝物。前菜の中でひな人形をかたどった器に盛られていたのは「わけぎ、イカ、玉味噌のぬた和え」。ちょっとだけ甘いぬた和えが、旬に入って甘みの出たわけぎにぴったりでした。

お造りはどれも新鮮そのもので、一切れずつゆっくりと味わいました。驚いたのは、添えられていたワサビと醤油が美味しいと感じたこと。地産地消が基本で、お店ですり下ろすワサビも日南産だそうです。「鰐塚山のきれいな水で育ったワサビは水っぽくないから貴重」と黒木さん。

また、まろやかな手作り刺身醤油(造り醤油)は優しい味で、濃い口醤油・お酒・みりんに加えてたっぷりの鰹節がポイント。この醤油は煮物や酢の物に使うこともあるそうです。前菜からこの調子で「次はどんなお料理が運ばれてくるか」と毎回ワクワクし通しでした。

今回のご飯は「春菜(しゅんさい)ちらし寿司」。椎茸・えび・白魚・厚焼きたまご・絹さやなど、今が旬の美味しいものが競演するちらし寿司。食べ応えのある適当な大きさで、それぞれの具に優しい下味が施されており、具の一つ一つをゆっくり味わいました。
その後甘味を味わい、最後に、淹れ直された、温かいお茶が運ばれてきました。

4月は筍・わらび・野草など

料理内容は、季節ごとに素材に合わせて変えているそうです。「4月は山菜や野草、鯛やカンパチなどが出てきそう」ということでした。端午の節句に向け徐々に初夏の献立に切り替わるそうです。四季折々の素材をどのようなおもてなしで頂けるのか、毎シーズン通いたくなるお店です。

素材の味を大切に。地元産の旬の食材を手間暇かけて提供。

おもてなしの心を大切に。昼/夜 各3組限定。
少しでも多くの人に日本の食文化を感じてほしいという気持ちから、お値段も控えめ。

飫肥の歴史的建造物保存地区に。築100年を超える古民家を改築した日本料理店。

アクセス

日本料理 喜庵一能

  • 〒889-2535
    宮崎県日南市飫肥5-2-41
  • 0987-25-5551
  • [昼]11:30-14:00(L.O.13:30)
    [夜]17:00-22:00(L.O.20:30)
  • 不定休

※要予約

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