地元の野菜を使った美味しいご飯のお供を目指す-倉岡良夫

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倉岡良夫(くらおかよしお)
昭和33年生まれ、日南市北郷町出身。
昭和55年、長野県に本社を持つ南信漬物が誘致企業として宮崎に工場を設置際に入社。
妻、長男27歳と三人暮らし。

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  • 南信漬物株式会社宮崎工場
  • 【住所】
    宮崎県日南市北郷町号野原乙2598
  • 【電話】
    0987-55-3755
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地元の野菜を使った美味しいご飯のお供を目指す-倉岡良夫
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地元の野菜を使った独自の商品づくり

今回のみやざき出逢い旅は、森林セラピー基地として認定されている日南市北郷町にある、南信漬物を訪ねました。南信漬物は長野県飯田市に本社があり、岩手と宮崎に工場を置いています。野沢菜を中心に全国に展開し、宮崎の工場は広島から沖縄までの広範囲が販売エリア。浅漬けなど賞味期限の比較的短い商品を翌日には販売店舗へ配送できるシステムを構築しています。
宮崎工場では、自社ブランドの小売り商品だけでなく、大手販売店のPB(プライベートブランド商品)や、飲食店・ホテルなどの業務用食材、スーパーなどの総菜用食材など、独自の商品もあわせて製造販売。

宮崎県内で栽培された野菜を使った新商品の開発にも取り組んでいます。
南信漬物の宮崎工場にお邪魔したのは、3月の終わり頃。宮崎県内の生産農家から仕入れた野菜を用いた独自の商品の製造販売の様子や、野沢菜の畑を見せて頂きながら、工場長の倉岡良夫さんにお話を伺いました。

濃い緑の葉を力強く広げた野沢菜

工場長の倉岡良夫さんは、日南市北郷町出身。高校卒業後、2年間の東京暮らしを経て家業の農業と継ごうと帰郷しました。しかし父親の薦めで地元での就職活動をしている時に、ちょうど誘致企業として北郷町に設立した南信漬物宮崎工場に入社しました。それから35年間、営業担当として広島県から沖縄県まで隈無く巡り、工場長となった現在も忙しく飛び回っています。
入社した当時、高菜漬けがメインの九州では野沢菜はほとんど知名度がありませんでした。ところが、大手メーカーの炊飯ジャーのコマーシャルに、炊きたてのご飯のお供として野沢菜が登場し話題に。宮崎工場の販売エリア内のデパートや大手スーパーから注文が殺到し、工場もフル回転の日々が5年くらい続きました。倉岡さん自身も2t車に漬物を積んで九州内を走り回っていたそうです。

もともと、長野県の気候を活かして特産品として栽培されていた野沢菜。気温が3度以下では低温障害、30度以上では高温障害を起こすという暑さ寒さに弱い野沢菜は、夏でも涼しい長野県での高冷地栽培が有名で、秋口に収穫して、冬の保存食として漬物にしていました。その野沢菜を年間を通して収穫するために、宮崎工場では、北郷町の農家と提携してビニールハウスで野沢菜を栽培しています。実際に、収穫間近の野沢菜を育てている畑を見学させてもらいました。超早場米の田植えの準備が進む春先の田園風景。背の低いビニールハウスの中を覗くと、濃い緑の葉を力強く広げた野沢菜がぎっしりと並んでいて、宮崎では中々見られない光景に少なからず感動を覚えました。

美味しいご飯のお供を目指して

南信漬物の宮崎工場では、野沢菜だけでなく、独自の商品も作っています。特に2月から4月に限定販売している日南の新タマネギを使った漬物は、宮崎県外でも人気とのこと。デパートでは買い物客の目を引くように姿のまま漬けたものをディスプレイしたり、新玉ネギが8月頃に収穫される北海道や東北地方で春先にいち早く販売して珍しがられるなど、PR方法や販路を工夫してリピーターを増やし、お客様から販売時期の問い合わせもある程です。
また、5年ほど前からは漬物製造の技術を活かした新商品も開発しています。

例えば、下味のついたカット野菜。塩分2%程の味付けをして小口に刻んだゴーヤは、スーパーの総菜の具材として使われるなど業務用商品として販売しています。また食感を保てるぎりぎりまで水分を絞って冷凍することで、解凍しても水分が出にくくなる冷凍漬物はホテルのレストランや飲食店の箸休めとして採用されています。伝統の野沢菜の漬物作りを大切に守りながら、その技術を活かして前進する南信漬物宮崎工場。これから、またどんな美味しいご飯のお供が新登場するのか楽しみです。

取材: 横山美和 (よこやま みわ)
宮崎市出身。宮崎大宮高校を経て、立教大学社会学部へ進学。在学中よりフリーアナウンサーとして活動。2003年に帰郷しテレビ宮崎入社。現在は子育てをしながらUMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送、宮崎サンシャインFMの番組、CM等に出演の傍ら、宮崎県内で絵本とピアノのステージ「おはなしとおんがくの森」の公演も行う。
facebook: 横山美和

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