食旅スポット
「島の宝100景」選出。島野浦(しまのうら)は宮崎県延岡市沖にある宮崎県内最大の離島。
延岡市浦城町から北東へ約6km、高速艇でわずか10分。古くから漁業が盛んな島で、最盛期には対岸の村々をはじめ島外から出稼ぎにくる人が絶えなかったという。島はリアス式海岸に囲まれ見事な海食トンネルもあります。沖合にはオオスリバチサンゴやテーブルサンゴが群生し、ダイビングやシュノーケリングはもちろん、ボートからでもサンゴを眺められる綺麗な海と、その海の恵みが自慢の島。
昨年「離島 島野浦いきいき観光協議会」も設立され、今回は事務長の結城さんをはじめ島を愛する明るい方々に、島の美味しいものを案内してもらいました。
島で水揚げされた新鮮な魚をすり潰して、ほんの少しの砂糖や酒を加えて混ぜて揚げたもの。
保存料や化学調味料などは一切使用せず、全重量の99%以上が魚。現在定期的に作って販売しているのは次の2軒。
観光協議会小野会長夫妻の、色と食感にこだわるあげみ
「離島 島野浦いきいき観光協議会」代表小野厚記さんと奥様の八千代さんは20年ほど前から作り続けているあげみ。
「99.9%以上が魚で、つなぎもない。揚げ油もこまめに新しいのに変えるから油切れもよくて色も綺麗よ。包丁も入れると味が落ちるからそのままで。島内観光にもにぎり飯とあげみがお勧め」とこだわりのあげみで、ブルーツーリズムで島を訪れた人々をもてなす小野さん。
究極に素材を生かした美味しさは「(魚だけでまとまるように)身に粘りがある魚を選ぶこと」からスタート。「イワシはパサパサするからNGよ」と明るく笑い飛ばす小野さん。エソを主体にアジやシイラなど季節の魚をチョイス。三枚におろして身をすり潰し、はんぺんのようにふんわりとしてて滑らかな食感が特徴。
現在店頭販売は島内のふれあい館のみ。今後延岡市内での販売も検討中です。
手作りあげみ販売(小野さん)
TEL:0982-43-0740
あげみ工房しまのうらの、 昔ながらのあげみ
漁協の女性部からスタート。現在は独立しメンバーは5名。漁協近くの明るい工房で作業を分担しながら毎日500枚〜多い時で900枚のあげみを作っています。「食べてみて」と揚げたてのあげみを頂きました。深みのある味わいで、魚の骨の香ばしさや食感も感じる懐かしい味。延岡市中心部のふるさと市場や道の駅北浦、ふれあい館などの販売に加えて、東京の居酒屋にも3ヶ所卸しているそうです。あげみ工房しまのうらの特徴は「魚を骨ごと食べられるあげみ」で、アジを主体にウルメイワシ等の魚を皮と内蔵を取って骨ごとすり潰しており、「カルシウムがたっぷり取れる」(あげみ工房しまのうら代表濱田さん)こと。
あげみの種類も多く、宮崎県内ここだけで養殖されている海藻アカモクを練りこんだ「アカモクあげみ」、やビールにあう「ピリ辛あげみ」もお勧めです。
あげみ工房しまのうら
宮崎県延岡市島浦町388-105
TEL:0982-43-1287
きんぴら、といっても佃煮のこと。きれいな水にしか住まないと言われるキビナゴが豊富に水揚げされる島野浦。キビナゴは水揚げ後早々に鮮度が落ちる魚で、水揚げ後すぐ漁港で天日干ししたあと、すぐ佃煮に加工しています。ピリッと甘辛い味つけで、ご飯のおかずやビールのつまみにもお勧め。島野浦では、昔からお祭りやお正月料理として食されてきた、懐かしい古里の味です。
ふれあい館をはじめ、道の駅北浦やふるさと市場、延岡駅構内などで販売中。
- 住所:
- 延岡市島浦町874-1
- TEL:
- 0982-43-1111
島野浦へのアクセス
延岡駅バス停から宮崎交通バス「宮野浦方面行き」に乗車し約30分、「浦城港」下車(片道620円)。
浦城港より高速艇で約10分(1日10便、片道450円)、またはフェリーで約20分(1日8便、片道400円)。
また、海上タクシーなどもある。