「私らしく生きる場所」

小畑佳奈子

2011年、宮崎の気候、人柄、食べ物の美味しさに惚れ込み移住。
マクロビオティックとの出会いをきっかけに、調理師免許を取得し料理講師として活動開始。
自身の心と体の変化をもとに「伝える」ことの重要性を感じ、宮崎の若手農家さんと一緒に、野菜の美味しさ・素晴らしさ・活用法を伝える活動に取り組んでいる。
「ナチュラルライフセラピーRian」も運営中。

春の味覚と宮崎の友

宮崎の春は短い。

桜の花もあっという間に散り、もうすぐ4月も終わろうとしている。そろそろ夏も近づいてくる。短いなりに今年も春を満喫する事が出来た。私の春の楽しみ方。それは旬の味を料理する事。幸いにも友人知人からその旬の味のお裾分けを頂く事が多い。本当にありがたい環境だ。

ある日友人から「筍を沢山頂きました!欲しかったら取りに来て。」と連絡があり、早速頂きに上がった。それは立派な筍で、持っている中で一番大きい鍋で下茹でを始めた。それと同時に私のパートナーが「これ、頂き物」と小さな筍を持って帰ってきた。まだ土付きだったその小さい筍も、大きい筍を下茹で中の鍋の中にギュッと詰め込んだ。

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採れたての筍はアクも少なく、柔らかく、風味も豊かだ。この切り口を見ながら、どう料理しようかと考える時間もまた幸せだったりする。まずは定番の筍ご飯。そして煮物。小さい筍はお刺身でも行ける。昆布と椎茸で出汁を取り、ほんの少しの醤油と塩でゆっくりコトコトと筍を煮含める。立ち上る香りは春の訪れを部屋いっぱいに充満させてくれる。子供の頃から毎年嗅いできた香り。祖母や母が春になると料理してくれていた香り。その思い出が蘇ると、自然と顔がほころんでくる。

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自宅では玄米菜食なので、料理の中に肉・魚・卵・乳製品は一切使わない。筍ご飯には一緒に油揚げを入れて炊く。油揚げの食感と、油がご飯に混ざると、コクと風味が増す。そして、筍の香りもしっかり引き立ててくれる。シンプルな調理ほど食材の良さを引き出してくれる。なので、調味料にこだわっている。良い調味料を使う事。それが私の料理の基本の一つである。

別の日、別の友人から「庭に収穫においで」とお誘いを受けた。綾町の民家の庭は裏山と一続きになっており、庭でありながら自然の恵みに溢れている。広い広い庭の中を歩き回り収穫したのは、ヨモギ・スギナ・三つ葉・原木椎茸・橙・フキ・ペパーミント・カモミール・晩白柚・ニッキの葉・菜の花。

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ヨモギは草餅などに入っていたりするので不思議には思われないのだけれど、スギナの収穫には驚かれた。春の出たてのスギナは穂先の柔らかい部分を摘んで食べる事が出来る。私は天ぷらにして食べるのが好きだ。日本では昔からスギナはお茶として飲まれてきた。スギナはミネラルの宝庫で、解熱や利尿効果がありデトックスに役立つ。昔の人は含まれている成分の事など知りはせずとも、先人の知恵で「スギナは身体にいい」と理解し、それを生活に取り入れていたのだから、素晴らしい。

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ヨモギとスギナは天ぷらに、フキは油揚げと煮つけ、三つ葉と晩白柚はキャベツと一緒にポン酢和え、菜の花は辛し和え、原木椎茸は大根と一緒にガーリックソテー。ポン酢も橙を絞って醤油と混ぜて手作りした。この日かかった食材費は油揚げとキャベツのみ。庭の恵みでこんなにも安上がりで、それでいて栄養満点で身体に良い料理が出来る。

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また別の日には、さらに別の友人から「コゴミが大量に送られてきました。取りに来て。」と連絡があった。もちろん早速頂きに上がる。コゴミは天ぷらでも美味しいが、この日はサッパリしたものが食べたい気分だったので白和えにした。私の白和えには練りゴマと白味噌が入る。すり鉢で当たった口当たり滑らかな豆腐にゴマの風味と白味噌の甘み、そしてコゴミの独特の香りとぬめり。この組み合わせは絶妙な食感を生み出してくれる。

今年も終わる春。まだほんの少しは旬を楽しめそうではあるけれど、もう今から来年の春が待ち遠しくて仕方がない。ただ、ここに居るだけで沢山の出会いとつながりが出来、旬を感じる事が出来る事に幸せを感じる。ありがとう。

 

コゴミの白和え

【材料】

コゴミ … 適量

木綿豆腐 …1/2丁

白練りごま … 大さじ1

白味噌 … 大さじ1

天然塩 … 少々

※分量は目安です、お好みで調節してください。

【作り方】

①コゴミをさっと下茹でし、ザルにあげて粗熱を取っておく。

②すり鉢に水切りした木綿豆腐を手で握りつぶしながら入れ、白練りごま、白味噌、天然塩を入れてよく擦る。

③1のコゴミを軽く手でしぼり水気を切り、食べやすい大きさに包丁で切る。

④2のすり鉢に3のコゴミを入れて、ヘラでやさしく混ぜ合わせる。

⑤器に盛り付ける。

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更新日時:2015.04.21(火) 11:08:20

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