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竹林光昭(たけばやし みつあき)
大阪府出身、1978年生まれ。中玉トマト専業農家。
2009年、宮崎で新規就農するため勤めていたIT企業を退職後、Iターンして宮崎市へ。
2010年、宮崎市木花地区にて就農。

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食べてくれる人の顔を忘れたらあかん

竹林さんの夢は「食べてくれる方に直接販売ができるようになる」ことです。 「初めて育てたトマトをおいしいって言ってもらえたのが嬉しかった。
食べてくれる方の顔を思い浮かべながらトマトを育てたい」と楽しそうに話してくださる竹林さん。また、楽しさとは別に『食べ物を作っているという責任』の重さもひしひしと感じています。
「食べてくれる方の顔が見えないと、責任感が薄らいでいくのではないかと思う。そういう意味でも、食べる方の顔を思い浮かべながら作業をしたい」と。この想いは、就農前の一年間の研修期間で、野菜作りに使用する農薬の量に驚いたところから始まります。「こんなにかけてるの?」とびっくりしたそうです。
研修では農薬の組み合わせや、農薬をいかに効率よく使うかをみっちり教えられました。「農薬を散布した日は酒を飲まないこと」も指導され、毒性の強い農薬の散布をした日には竹林さん自身もぐったりして体調不良を感じたこともあったそうです。
「これはようかけられへん」、自然とそう考えるようになりました。

竹林さんは就農3年目。今でも消費者目線を忘れていません。
周囲に畑のない住宅地で育ち、いい意味で近代農業に染まっていないのが、竹林さんの強みなのでしょう。
現在、極力農薬・化学肥料を抑えた栽培方法を模索しながら、トマト作りを実践中です。農薬の必要性を感じたときには、慎重に直接メーカーに問い合わせて使用方法や他に同じような効き目で毒性の弱いものはないかを質問し、納得するまで調べてから使うようにしているそうです。

竹林さんは、農業は一方的な関係になりがちだと言います。
例えば、スーパーでは『生産者直売』コーナーは珍しくありません。
そこで消費者は、どこの誰が育てた野菜なのかを知って購入し食べることができます。しかし生産者は、どこの誰が購入して食べてくれているのかを知ることは容易ではありません。
また、消費者側では生産者の名前が書かれた野菜であっても、どんな手入れをしているのか、どんな肥料をあげたのか、どんな農薬を使ったのか、全てを知ることはできません。
肥料や農薬に関しては、専門的な知識がないと理解できないことも多々あります。この不安を解決するには、生産者と消費者とが相互に信頼できる関係性を築くこと。竹林さんが直接販売するスタイルにこだわり、かつ目指す理由はここにあるのです。

販売方法は手探りですが、2013年1月26日『街市』(http://www.machi-ichi.jp/)で、初めての店頭販売を経験し夢に近づきました。
「消費者の方と直接会話して直接感想を聞けることに嬉しさを感じる一方、限られた時間の中で思いを伝える難しさも感じました。
今後は一人でも多くの方にうちのトマトを食べてファンになってもらい、トマトの感想やこんなトマトを食べたい!など、ご意見いただけるような関係を築いていきたい」と竹林さん。
今後も定期的に朝市へ出店し、近隣へのトマトの直接販売もスタートするなど、消費者であるお客さまに直接販売する割合を増やしていくということでした。

想いをつなぐ

「まだまだ分からないことだらけ」と謙遜する竹林さん。そんな竹林さんの周りには人が集まってきています。竹林さんのトマトが好きな人、販売する人、料理する人、またそれをつなぐ人。

今回は私の紹介で、厳選食材にこだわるラディッシュセブン(http://la-dish.com/seven/)さんに、竹林さんのトマトを食べて頂きました。
店長とマネージャーがハウスへ足を運び、想いを聞いて、自社での販売のご決断を頂きました。
2月に期間限定で、ラディッシュセブンで竹林さんのトマトが食べられます。
詳しくは、今月号の『食旅の駅』のコーナーへ

「食べる人のことを考えた、安全でおいしい野菜の栽培に取り組む農家さんに増えてほしい」という想いは、よい食に関わる皆に共通する願いです。農家さんがいて私たちは野菜が食べられます。

私は、農業に一番大事なのはどんな想いをもって野菜を栽培しているかだと思います。それが野菜の接し方に反映され、味にあらわれるからです。土作りを研究し、植物を観察する眼を養い、勉強を重ねて更に知識を深める動力になり、結果的に農薬や化学肥料を極力抑えても育つ野菜を栽培できるようになります。

宮崎の魅力に惹かれて

竹林さんが就農先を決めるにあたり、「温暖なところで就農したい」という希望で、高知・鹿児島・宮崎を検討していたそうです。
農業人フェアで宮崎の方と話して「一度行ってみようかな」と人生で初めて宮崎に来て、そこで出会った方の紹介で就農研修が受けられることになり、ハウスも探してもらえ、トントン拍子に話が進んで宮崎に決めたそうです。

「宮崎はこれからくるで」。そう大阪の友人に話をしているという竹林さん。就農先に宮崎を選んだ理由を話していると、いつしか話題は宮崎の魅力についての話題に。「価値観がシフトしてきたら、宮崎はものすごく強い県だと思うんです」。海があって山があって川があって土地があって暖かくて、自給率がすごく高いから、と楽しそうに語る竹林さん。
「宮崎に来られて本当に嬉しいんです」と宮崎が大好きという想いが伝わってきて、私も嬉しくなりました。
また「宮崎はコンパクトシティで生活がしやすい。必要最小限必要なものは十分足りているし、街も小さいから移動も便利。ドアTOドアでどこでも行きやすい。都会より便利」と、快適な宮崎での生活に満足されているお話もたくさん聞くことができました。

  • ブログページ―おいしい野菜の見え方
  • 取材:大角恭代

    小林市在住。大学卒業後、㈱ファーストリテイリング勤務。2011年2月Uターン。野菜ソムリエ。たまたま食べた無農薬無化学肥料栽培の文旦に衝撃を受け、おいしい野菜の育ち方に興味をもつ。おいしいと思う野菜があると畑にいき、生産者と想いを語る。

    夢は『いつでもどこでもおいしい野菜が食べたい、広めたい』。

  • 大角恭代

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