producer_h01

producer_profile01

上水漸(かみみず すすむ)
1946年三股町生まれ。
散水氷結法の成功を皮切りに、植物と水の関係性について物理学的な観点から研究を始める。専門家とも連携して研究を重ね、「植物生理にあわせて、ミネラル水を散水する農法」で、農薬や化学肥料に頼らない茶の栽培方法を確立。その茶葉を独自の方法で加工した『バイオ茶』も開発し、多くのスポーツ選手から支持されている。依頼があれば講演も行う。本も出版(「バイオ茶はこうして生まれた」2011年(株)新評論出版)。

  • 有限会社 宮崎上水園
  • 〒889−1901
  • 宮崎県北諸県郡三股町大字樺山2759
  • TEL:0986-52-2153
  • FAX:0986-52-4865
  • WEB :http://www.biocha.com/
アーカイブ (Archive)
  • producer_slide01
  • producer_slide02
  • producer_slide03
  • producer_slide04

霧島連山の南に広がる都城盆地は、周囲を高い山々に囲まれ、昼夜の気温差も大きく、よく霧が発生します。
まさに茶の栽培に適した地域で、全国4位(2010年) の茶の生産量を誇る宮崎県内でも、お茶の産地として有名です。盆地の東側は三股町。そこには明治29年創業の茶園『上水園』があります。ここは日本初の「水出し茶」を開発・販売したことで有名な茶園です。

つららのできる畑〜散水氷結法の成功で全国から見学〜

散水氷結法(=スプリンクラーでの散水による防霜)。上水社長が全国で初めて成功したと言われている遅霜の被害をなくす方法です。家業を引き継いですぐの頃に、遅霜の被害で新芽が全国的に被害を受けたのをきっかけに、当時日本では実績のなかった技術を導入することを決意。その2年後に同様の遅霜の被害が全国に及んだ時に、上水園の茶園は被害をまぬがれました。そのことはNHK の夜9時のニュースで全国放送され、そこから一日100人もの見学者が訪れる日々が約1ヶ月続いたそうです。
お茶の新芽はマイナス2℃で凍って組織が壊れ、枯れると言われています。散水氷結法とは、茶畑にスプリンクラーで散水し、その水が氷る際にでる潜熱(=物質が形状を変える際に発生する熱量のこと。水が氷になる際も微量熱量を発生)を利用して、0℃付近の温度を保つことで新芽を遅霜から守る方法です。
この成功を九州茶業大会で発表し、同年最優秀賞を受賞。また宮崎日日新聞農業技術賞受賞。

水から教えられた

上水園で私が一番始めに教わったことは植物生理でした。植物の一日の生活です。植物は午前中光合成を行い、一生懸命でんぷんを作りだします。そこに欠かせないのが「水」だと上水社長は言います。「土手に自生している植物は、農薬肥料はあげてないのに季節になるとちゃんと芽を出し花を咲かせている。この自然現象が当たり前のことで、これが出来るようにするために植物は水を使って体内に栄養分を運んだり光合成をしたりしている」と。散水氷結法で水のエネルギーを感じて、水の原理や素晴しさにひかれ、自然に目がむくようになったそうです。

上水社長は、「植物にも人間にも交代の原理。我が身を犠牲にしても何かを残している」と。人間も老いていく代わりに子どもを残し、植物も成長がとまってくると結実します。「当たり前のことを当たり前にする」という視点でいることが植物に向き合う方法だと教えてくれました。

植物のためのミネラル水を、植物のタイミングにあわせた散水で

上水園では散水の時間が決まっています。
それは日没が近くなってきた頃。植物は、午前中日が昇り気温が上昇すると、光合成や蒸散で水分を失います。午後に日が傾き気温が下がってくると、植物の周りに水蒸気も発生し、根や葉から吸水しやすい時間になるそうです。植物のための農作業というのをすごく自然にされていました。

上水園で散水に使うのはミネラル水。特殊な加工で水の中に岩から抽出したミネラル成分を溶かし出し、それを地下水で薄めて散水しています。
また、肥料は畑の状況を見て堆肥を入れたり、乳酸菌などをまいたりが中心で、農薬や化学肥料、除草剤に頼らない農業をされています。

バイオ茶の誕生〜型破りな日本茶〜

バイオ茶といえば上水園の代名詞で、日本で初めての水だし茶です。植物のリズム(=バイオリズム)にあわせた栽培・製茶をしていることからこの名がつきました。
涼しげな黄緑色とさらっとした飲み口で日本茶っぽくないバイオ茶。バイオ茶を飲むと、のど元に溜まる感覚がないまま、すっと喉から食道からどんどん体に染みていくのを感じます。こうなる理由は、まず栽培段階で窒素成分の乱用をさけていること。また独自の製法を加えることで茶の成分が溶け出しやすくしていることだそうです。バイオ茶には日本茶独特の渋みがありません。色も鮮やかな黄緑色。上水園の茶畑でみた、新茶の葉の色そのものです。
今ではスポーツ選手に愛飲されるお茶。製品化した当初はなかなか受け入れられなかったそうです。それは口コミで広がりました。「このお茶を飲むとバテない」「走る前に飲んでも横っ腹が痛くならない」「いくら飲んでもお腹が張らない」。と今もリピーターが多いといいます。「本当にいいものは宣伝しなくても人が集まる」と上水社長。見事にその通りでのお茶です。

恥かき会

「何がいいかというのは、どういう考え方で行動しているかだ」と語る上水社長。そんな上水社長の元には多くの人が集まってきます。
その中の一つが「恥かき会」。農家さんを中心に、植物生理を学び自然にむきあう心構えや植物の様子を知る毎月勉強会を開催しています。
「恥かき会」には、農家さんをはじめ毎回20〜30名の方が集まります。今年で19年目を迎える恥かき会。始めは1人の農家さんが「自分1人で聞くのはもったいない」と仲間を集め2〜3名で社長の話を聞いたところから始まったそうです。今では人づてに広まり、毎回新しく参加する方が絶えません。卒業生も入れると100人近い方がここで学んでいます。
今日も、これから勉強会が開かれますー

  • ブログページ―おいしい野菜の見え方
  • 取材:大角恭代

    小林市在住。大学卒業後、㈱ファーストリテイリング勤務。2011年2月Uターン。野菜ソムリエ。たまたま食べた無農薬無化学肥料栽培の文旦に衝撃を受け、おいしい野菜の育ち方に興味をもつ。おいしいと思う野菜があると畑にいき、生産者と想いを語る。

    夢は『いつでもどこでもおいしい野菜が食べたい、広めたい』。

PAGE TOP