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南 浩二 (みなみ こうじ)
大分県宇佐市出身。宮崎大学農学部卒業。2004年、日南市北郷町にてIターンで新規就農。観光いちご農園を営む他、地域興し活動にも積極的に取り組む。家族は妻の恭子さん、瑛太くん(5歳)、杏ちゃん(1歳)、ベリーちゃん(7歳)。夜のいちごハウスでお酒をたしなむのが、日々の癒しになっている。

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北郷(現日南市)へ

南さんは大分出身。大学時代に堀切峠で見た海に感動して「宮崎での就農」を決意。南さんは就農場所を求め宮崎県内を車で走り回ったそうです。そして北郷町(現在の日南市北郷町)に来たときにピンときて即決。その理由は「僕のおじいちゃんのミカン山の景色に似ていたんですよ」。南さんの頭の中にあったのは、小さい頃に遊んだおじいちゃんのミカン山。特に気に入ったのが、桜の名所として有名な花立山から見える海。「海の見え方というか海への距離が同じくらいだったようで地形も似ていて、すぐに気に入りました。インスピレーションですぐにここに決めました」。

現在では、本業のイチゴ観光農園に加えて、日南移住者の会会長、北郷町のNPO法人ごんはる 副理事、まちづくり協議会、など地域の役職を兼任。農業の傍ら地域振興にも取り組んでいます。「北郷町は温暖で恵まれた土地。人もいい。自分はここを新規就農の人が集まる町にしたいんです」。「色々な考えを持った人が集まり、色々な作物を育て、色々な販路を持って、既存の型にはまらない新しい農業が盛んな町にしたい。第一次産業から町おこしが出来る」。農業の可能性、北郷町という土地が秘めた可能性、南さんの尽きることのないお話に、こちらまでワクワクしてきます。

観光イチゴ園

大分の祖父が農業を営んでおり、小さいときから田植えやミカン山での手伝いをしていた南さん。大学進学にあたって「将来は農業関係の仕事をしようと決めた」。違和感はなかった。元々自分が農業をするというのは頭になかった南さんでしたが、在学中に出逢った人たちの影響で、「何かを生み出す仕事をしている人が生き生きしていた」のに惹かれ、自分も農業をすることを決意。大学時代に接客のアルバイトをしており、人と話すのが好きだったというのもあり『観光農園』というスタイルでの就農をイメージするようになったそうです。あわせて、『栽培作物はイチゴかな』とイメージしていたのもあり、『イチゴの観光農園』という現在の形になったそうです。
南さんは一つ一つの決断に迷いがありません。もちろん決断するときに迷いはあったかもしれない。けどそれを全く感じさせないくらい、今に至る全ての決断に筋が通っていて、ぶれがない、無駄がない。現在34歳。既に自分のスタイルをばしっと確立して、具体的なビジョンを持って、着実に進み続けています。

楽しい農業を〜「夜イチゴ」〜

柔らかい口調と物腰で多くの常連さんに支持される南さんですが、自分の意見やビジョンははっきり持っています。会話の中に多く出てくるキーワードも思いがこもったものばかり。特に「楽しい農業をやりたい」というフレーズは取材中に何度も登場。農業って楽しい、それも伝えたい。南さんが農業をする中で大事にしていることです。
その思いがこもったのが「夜イチゴ」。「夜のイチゴハウスってすごく雰囲気がいいんです」。夜になると湿度があがるハウス。ハウスの電気の明かりが柔らかくなり、夜露にぬれたイチゴは昼間以上に輝いている、そんな夜のイチゴハウス。ハウスの作業や維持管理を全て一人で担う南さんは、作業が日没後も続くことも多い。

そんな中で気づいたのが「夜イチゴ」なのです。ぜひ見てほしい来てほしいと思った南さん、昨年はNPO法人ごんはると連携し、「ストロベリーナイトフィーバー」を行いました。一昨年から始まったこの企画、2回目の昨年は100名ほど集まり、今年も3月末に企画を予定しています。
またそんな「夜イチゴ」を沢山の人に楽しんでもらおうと今年企画しているのが、週に1回の夜間営業。2月22日〜4月末にかけて、南いちご農園は毎週土曜日に18時〜21時も営業します。土曜日は「夜イチゴ」の日。お話を聞いているうちに「夜イチゴ」の魅力にはまってしまった私。早速、今年の春の楽しみの一つが出来ました。

イチゴは、さがほのか

もともと佐賀県で開発された、さがほのか。宮崎県でも栽培が可能になった時、南さんはすぐに導入を決めました。決め手は「他のイチゴと比べて、酸味が少なくて美味しい」から。大学卒業後、一年間農業研修生として阿蘇の農家で働いていた南さん。栽培するイチゴの品種を検討していた研修生時代、その阿蘇でさがほのかを知りました。
南さんのイチゴは、形がとってもきれいな完熟イチゴ。美しい円錐形をしたイチゴの実はぎゅっと引き締まっていて、水分もぎゅっと中に閉じ込めています。イチゴをかじると、しっかりした食感の中からじゅわっと甘い果汁が出てきて、その食感と甘さに驚きました。

南さんがイチゴの栽培で大事にしているのは「イチゴの気持ちになること」。まずはハウスに入ったときに自分が「気持ちいい(ハウス内の温度・湿度などを)」と感じることができるか。温度や湿度をただ計ったり、ただ肥料をあげたりすることは大事ではなく、向き合うことが大事だと思う、と話してくださいました。現在肥料はほとんどが有機質肥料。特にさがほのかの特徴でもある毛細根をしっかり伸ばせるように、リン酸(植物の中でも特に根の生育に必要だと言われている)質の肥料が中心。農薬も、生物農薬といって害虫の天敵を導入する方法で、お客さんに安心して提供できるイチゴ栽培にも取り組まれています。

規模拡大へ向けて、ソフトクリーム販売もスタート。

南さんは、今後農業経営の規模拡大をする予定です。まずは管理するハウス面積を拡大して、現在注文を受けている大阪をはじめ関西方面に定期的に出荷できる経営を目指されています。「冬のハウスイチゴを日南でブランド化したい。宮崎は、1月2月は他の地域と天候条件が全く違う。日本に寒波がきても宮崎だけ晴れていることも珍しくない。さがほのかも、生まれ故郷の佐賀県ではこんなに色が濃くありません。もっと色が薄いさがほのかになります」と日南での農業振興の可能性を熱く語る南さん。本当に聞いているこちらがワクワクしてきます。また、現在農業人口の高齢化が問題視される中、南さんは管理者不在になった空きハウスなどについても、積極的に引き受けていく考えです。

またハウス面積拡大にあわせて、加工品の販売も計画中。早速今年はソフトクリームの販売車も導入予定。日南市内の朝市や、南いちご農園でイチゴのソフトクリームが食べられる日は近いようです。また、奥さまの恭子さんが3日かけて作るコンポートやジャムなど加工品製造販売をしたり、朝市に出店したり、「イチゴを野菜として出荷することはできないか?(例えば着色する前に出荷するということ)」と考えたり、南さんの楽しい農業は広がり続けます。そんな南さんの姿は、これから農業を志す若者や、農業に興味を持った若者に夢や希望を与えること、間違いありません。

南いちご農園 いちご狩り情報

  • 日時: 1/2(木)~5月下旬
  • 営業時間: 10:00~17:00

2/22(土)~4月末頃までは毎週土曜日のみ夜間営業(18:00~21:00) ※詳細はお問い合わせください。

摘み取りコース 1月 100g-180円
2月 100g-180円
3月 100g-150円
4月 100g-130円
5月 100g-110円
食べ放題コース 1~3月 2歳以下 無料
未就学児 1,000円
小学生以上 1,300円
4~6月 2歳以下 無料
未就学児 1,000円
小学生以上 1,300円
  • ブログページ―おいしい野菜の見え方
  • 取材:大角恭代

    小林市在住。大学卒業後、㈱ファーストリテイリング勤務。2011年2月Uターン。野菜ソムリエ。たまたま食べた無農薬無化学肥料栽培の文旦に衝撃を受け、おいしい野菜の育ち方に興味をもつ。おいしいと思う野菜があると畑にいき、生産者と想いを語る。

    夢は『いつでもどこでもおいしい野菜が食べたい、広めたい』。

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