田鹿の「日南」海幸山幸自慢

試食を提供すれば売上が上がる、は本当か? ~前編~

試食を提供すれば売上が上がる、は本当か? ~前編~

最近、生産者と一緒に催事などのイベントに行って、商品の販売を手伝うことが多いです。(というよりも、勉強させてもらっています。) 「いらっしゃいませ~、美味しい〇〇いかがですか~?」などと元気にお客様に声掛けをしているのですが、実際に売り場に立って販売してみると、勉強になることがたくさんあります。

 

 

催事のようなイベントに行くと必ずあるのが、「試食」ですね。ブースに来てもらうために行うのが試食なんですが、この試食が最終的に売上にどう影響するのか、という非常に興味深いんです。

試食を提供することで、売上につながるのは、

① 美味しかったから
② 試食して買わないと悪いから

の二つの理由がありますよね。

消費行動のプロセスはがアメリカの広告・販売の書籍の著者、サミュエル・ローランド・ホール氏が提唱したAIDMA(アイドマ)理論というのが有名で、

A(Attention)・・・注意の喚起
I(Interest)・・・ 興味の喚起
D(desire)・・・・ 欲求の喚起
M(Memory)・・・・ 記憶
A(Action)・・・・ 購入

というものがあって。上記の一連の流れで消費につながる、と言うものなんですが、今回は「試食がこのAIDMA理論でどういう意味を持つのか」を考えてみたいと思います。ちなみに、インターネットの登場以降、AISAS(アイサス)理論がうまれ、ソーシャルメディア時代はSIPS(シップス)理論などが生まれてきているのですが、そこは本筋とずれるので、またの機会に。

ブースを出店して商品を販売するようなイベントの場合、たいてい、たくさんの生産者もブースを出店しています。多い時は100社以上のブースが集まることも珍しくありません。それだけライバルが多い中から、自分の商品を買ってもらわなければいけないので、たくさんの工夫が必要になってきます。
まず、100社の中から自社を知ってもらわなければなりません。AIDMAの中でいう「Attention 注意の喚起」が必要になるわけです。有名な会社やブランドであれば、お客さんの方から、自分の商品を買いに来てくれるかもしれませんが、多くの場合は初めて会うわけです。そのような状況で、注意を自分に向けてもらうためには、いくらかの工夫が必要になってきます。
「いらっしゃいませ~、美味しいですよ~、」と威勢よく叫ぶ!?のも方法の一つですし、オシャレな看板を掲げるのも、美男美女のスタッフが立つのもありかもしれません。まずは、目に泊めてもらうことから始まります。

さて、自分に注意を向けてもらえれば、今度は「Interest 興味の喚起」です。この「興味をもってもらうこと」を実現するために行うのが試食です。ここはとても簡単で、「試食をしている」という事実そのものが「興味の喚起」になります。試食に興味を持たない人はそう多くないですよね。

さて、「試食できる」という事実で興味を引きつけたら、「Desire(欲求の喚起)」を行わなければなりません。ここのフェーズでは「試食をした結果、欲しい」と思わせなければなりません。つまり、「Interest(興味の喚起)」から「Desire(欲求の喚起)」をスムーズに行うことが「試食」の一番の目的なわけです。

そして、Desire(欲求の喚起)ができ、スムーズにいけば、その場でAction(購入)に至りますが、その場で買ってくれない場合はMemory(記憶)をしてもらえれば、他のブースを回った後に、再来してくれ、購入してもらえるわけですね。

AIDMAやAISAS、SIPSなどの消費行動のフレームワークを覚えておくと、筋の良い仮説立てができるので、オススメですよ。もちろん、商品や販売チャネルによって、どのフレームワークで考えるのがいいのかは変化するので、その使いこなし方も大事になってきます!

そして、次回は売上をあげる試食と、売上を落とす試食について、解説します!

 

※ 記事中に誤植があり、AIDMAの提唱者はアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏に修正しました。ご指摘いただき有り難うございます。

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更新日時:2014.03.18(火) 22:53:23

佐村河内氏の一連の騒動を、「食」のマーケティング的に見てみた。~後編~

よく、品質の均一化、安定供給の担保ができないから日本の農家は厳しい、という意見がありますが、それは組む相手を間違ってるからです。イオンやセブンなどの大手流通は毎日全国の店舗に何百、何千万人のお客さんが来てくれ、その人達に安定して均一化した商品を届けることを優先します。そして大量の出口を持っているからこそ、価格決定権を持っています。商品を大量に持っている農協や経済連などであれば、彼らと交渉もできますが、一人の生産者が彼らと対等に交渉するのは至難の技です。

 
さらに、大手流通チェーンのお客さんは購買決定において「価格」が相対的に大きな要素をしめるので、大量生産品や安い人件費を武器に作られた商品相手には苦戦を強いられるわけです。実際、みかんジャムをディスカウントストアで売られてるキューピーのものと、日南のみかん農家が作った手作りジャムとを比べると、値段は3倍も4倍も違ってきます。それもそのはずで、使われているミカンの質、量が圧倒的に違うこと、防腐剤などの添加物を使ってないためなのですが、これだけ価格差が出てしまうものはディスカウントストアでは売れないでしょう。そもそも、パートナーとして組む相手が違うわけです。

 
価格、安定供給の面ではいち生産者は大手流通チェーンに並ぶ商品には勝てません。その他の部分で勝負をしなければいけないのです。ですので、その商品+αの「他の部分」で勝てる舞台を選ばなければなりません。マーケティングに重要な4つPという言葉があってProduct(商品)・Price(価格)・Promotion(広告)・Place(販売チャネル)、がマーケティングには大切だと言われています。地域産品の販売戦略においてPrice(価格)やPromotion(広告宣伝)では不利になってしまう分、Place(販売チャネル)はとっても重要になるわけです。

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更新日時:2014.03.04(火) 13:00:48

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